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2019.09.03

【現場読解】

シンガポールや日本を拠点にグローバルな舞台で活躍するリーダーたちが、人生やビジネスについての信念や情熱を語る!世界の未来を担う人たちにヒントをあたえてくれる「オススメの一冊」も紹介。

《第1回》

株式会社ケセラセラは、企業やプロジェクトのデザインからマーケティング、ブランディング、広告まで手がける総合クリエイティブエージェンシー。アジアの拠点として2012年に開設されたシンガポールオフィスを牽引するリーダーに話を聞いた。

山本 宏次朗さん Kojiro Yamamoto
1987年神奈川県生まれ、大阪育ち。2010年桃山学院大学卒業。在星5年目。
尊敬するリーダー/自社ケセラセラの日本法人代表:鎌田健之介氏
モットー/『まず行動』

株式会社ケセラセラ
www.queserser.co.jp
本社所在地/大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザウエストオフィスタワー20階
従業員/343名(2019年4月1日現在)
資本金/2億4,000万円
事業内容/マーケット、プロダクト、メディアのマネジメントデザイン業


叶えたい目標があり、そこに向かって走り続ける過程で今ここにいます。

 大学入学まではバスケ一筋の人生で(高校のチームは大阪府内2位!)、スポーツだけを取り柄に“大人”になろうと思っていました。でも、大学で将来を見据え、スポーツで身を立てる道は厳しいと思い至りました。教授に「なんか海外にでも行ってみたほうがいいかと思う」と相談したところ、「バリ島のボランティアプログラムに参加せよ」と使命を受け、19歳で初めて海外生活を体験しました。
 バリ島では、2週間現地の家庭にホームステイしながら、3歳から15歳までの子供たちが生活する社会福祉施設で様々な活動をしました。語学教育、衛生指導、井戸掘りや道路舗装などの支援活動の他、自主的にマザーたちと一緒に早起きして朝食の準備をしたり、朝6時に子供たちを学校に送ったりしました。限られた時間内でできるだけみんなと接して、彼らが抱える問題について生の声を聞いてみたかったんです。
 しかし言葉の壁ゆえに、問題の核心に触れられず解決策も提示できずに、ボランティアをした満足感だけを得てプログラムを終えてしまったという気持ちが拭えませんでした。そこで、インドネシア語習得が最重要課題と考え、翌年から1年間語学留学しようと決意したのです。
 3カ月間インドネシア語漬けで猛スピードで習得、再度バリ島の施設を訪問。親と生活しておらず愛情を受ける機会が少ない、食料環境が悪く子供たちが家畜や畑の世話をしている、教育が不十分で字が読めないなど、ようやく彼らの声を直接聞くことができました。そこで初めて「自分に何ができるか」と自問し、「この地でビジネスを起こし雇用を生む。雇用こそ、様々な点で彼らのハッピーにつながるのでは」という考えに至ったのです。

いざ、海外へ

 海外事業に携われる企業を求めて就職活動をし、今の会社に出会いました。初の海外拠点がシンガポールに開設され、インドネシアにもつながるビジネスができると考え赴任を希望、5年前に来星しました。
 実は、シンガポール進出は東京よりも先だったんです。これからはアジアの市場が伸びる、それにはアジアでの拠点が不可欠という確信がありました。インドネシアにも着実にマーケットを伸ばしており、僕の言語スキルも活かせていますね。
 ケセラセラは社員の半数がクリエイターで、事業の上流から下流までクリエイティブは全部やる会社です。ブライダル、教育、スポーツ、飲食、介護医療、旅行、行政関係など業界は多岐にわたっており、デザイン、SNSのバナーや映像、販促物の製作からオフィスや店舗リニューアルのコンサルまで手がけています。
 シンガポールでは例えば、新規進出する日本企業が展示会に出展する際、主催者への折衝、ブースのデザイン・設営、多言語に対応したウェブサイト作成、ローカライズのためのロゴ、販促物・パンフ・名刺の制作など、全面的にサポートさせて頂いています。日本進出する外資企業もクライアントにおり、先日もある不動産物件の日本展開のリブランディングの案件を担当しました。
 シンガポールは、とにかく便利。アプリでの食事やタクシーの手配が浸透しているし、規制が少なくビジネスチャンスを伸ばしやすい。言語の壁はやはりあります。英語や中国語が前提のクライアントもいるので、言語スキルを持っているにこしたことはない。個人的には旅好きなので、アジア近隣諸国を旅行するには、シンガポールは最高の立地です。ただ家賃が高いのが悩みの種です。今後どれだけ上がるのか気がかりですね。
 リーダーとして心がけているのは、まず自分が行動すること。海外では、指示役だけのリーダーではみんなに付いてきてもらえません。トップを走りながらも、メンバー全員から教わる気持ちを常に持つようにしています。また、一緒に仕事をする人の人柄を理解し信頼すること。信頼こそが実行への可能性につながると信じています。
 僕にはかなえたい目標があり、そこに向かって走り続ける過程で今ここにいます。挑戦する気持ちを持った方が、外国ではビジネスが成功しやすい。言語もどんどん使うことでコミュニケーションも広がる。とにかく、物事を恐れずなんでも挑戦することが大事だと思います。
 ケセラセラという社名は、スペイン語由来で“なんとかなるさ“という意味ですが、僕たちとしては”なりたい姿になる“という思いで仕事をしています。実は英語表記、わざと一字抜きのスペルミスにしてるんです。肩の力を抜いて、という気持ちを込めています。

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 増収増益を続ける日本の娯楽産業トップ、ディズニーランドにおけるマーケティングの神髄が書かれた本です。閑散期の対応、企業タイアップ、ディスカウントの効果的な活用法など具体例も豊富。ビジネスマンとして備えているべきマインドセットについても教示してくれていて、国内外かかわらず学ぶべき事柄が詰まっています。集客を考える上でも、ちょっとしたサポートツールになる本ですよ。


『DISNEY MARKETING ディズニーのすごい集客』
著者:嶋田亘克
出版:フォレスト出版株式会社

(取材・文 小林亮子)