2020.06.18
新型コロナウイルス特別委員会は経過状況を評価し、2020年6月18日23時59分以降にPHASE 2を開始することを決定した。コミュニティの感染率は、PHASE 1の再開後の職場活動の増加にもかかわらず、概ね安定していた。出稼ぎ労働者の寮での発生率も低下しており、新たに大きなクラスターは発生していない。
次のPHASEでは、サーキットブレーカーの期間とPHASE 1の再開時に行われていた努力を確実に継続することをゴールとしている。個人間の密接な接触を制限することにより、衛生的で安全な管理原則を維持しながら、感染症の新しいクラスターのリスクを大幅に上げることなく、より多くの活動を再開することが可能となった。
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【PHASE 2のアプローチ】
◆少数の例外を除いて、PHASE 2では、次の安全な距離原則に従って、ほとんどの活動が再開されます。
A: 通常時は、個人間では常に少なくとも1メートルの安全な距離を確保できるようにするための対策を講じる必要がある。
B:個人間で1メートルの安全な距離を確保することが現実的または実用的でない場合、代わりにこの1メートルの要請をグループ間で適用できる。各グループは5人以下で構成され、グループ同士で混合させてはいけない。同時に他の安全管理対策も実施する事。
◆同様に、最大5人までの小グループの懇親会も再開可能。家庭内では、各家庭は一度に最大5人の訪問者を受け入れることができる。
【再開される活動】
◆6月18日23時59分以降、小売店は店舗を再開することができる。飲食店での店内飲食も再開でき、酒類の販売および飲食は22時30分で終了する事。ただし、この段階では、すべての飲食店で音楽の生演奏、テレビ、ビデオの上映を行うことはできない。モールや大型の小売店など、人の往来が多い大規模な公共施設は収容人数に制限を設け、運営会社は敷地内およびそのすぐ近辺で集団または長い行列ができるのを防ぐ必要がある。
◆個人の健康活動、および在宅サービスも再開可能。登録されたクラブや協会は、登録された施設での運営が許可される。家庭教師やその他の学習スクールは、歌唱または音声トレーニングクラスを除いて再開できる。地域の高齢者介護サービス、個人向け健康診断、美容サービスを含む他のすべての医療サービスは、安全な離隔措置を講じて再開される。高齢者向けの住宅施設(老人ホーム、福祉施設、介護施設、成人型障害者施設など)での対面訪問も予防措置を講じて再開される。
◆スポーツ、公園、その他の公共施設もオープンされる。これらには、遊び場、ビーチ、芝地とグラウンド、スタジアム、水泳施設、スポーツ場、テニスコート、ジム、フィットネススタジオ、ボウリングセンター、多目的ルームが含まれる。コンドミニアムやクラブなどの私的環境の類似施設もこれに該当する。
◆営業が許可されているビジネスのリストは、MTIのWEBサイトを参照。このリストにある企業は、運営を再開する前に免除を申請する必要はない。
◆ただし、職場での作業再開日から2週間以内に、GOBUSINESSポータルで現場作業を行う労働者の数を提出する必要がある。個人間の物理的な接触を減らすために、可能な場合はすべての企業で在宅勤務を行う必要がある。
◆飲食店での店内飲食や、個人が集まって活動するクラスなど、許可されたビジネスが運営する際には、各グループが5人以下で構成され、かつ前述の通り、全体的な安全管理対策を講じている場合にのみ、1メートルの安全距離要件が免除される。
◆PHASE 2が開始するまでの今後数日以内に各関連機関からさまざまなセクターのガイダンスが提供される。各企業や組織は、シンガポールを安全に保つためにその役割を果たすこと。所定の安全管理の原則を満たせない場合、企業や組織は関連する機関へ、代替の安全な距離措置の承認を求めることができる。そのようなビジネスや活動は、準備が整った時にのみ再開するべきで、安全管理の原則を怠っていることが判明した企業や組織は、閉鎖する必要がある。
【例外】
◆活動の大部分はPHASE 2の開始時に再開できるが、いくつかの活動の再開にはさらに時間を要する。それは多くの人々が、しばしば閉鎖された空間で、長時間、密接になる可能性が高いような活動または環境である。海外や国内での経験では、こうした活動の過程で個人間の密接な接触の数を考慮すれば、これらの環境が感染の大きなクラスターを生み出す可能性があることが示されている。
そのような活動と設定には以下が含まれる。
A : 宗教サービスと集会
B :図書館や美術館などの大規模な文化施設
C :カンファレンス、展示会、コンサート、見本市などの大規模なイベントや会場
D:バー、ナイトクラブ、カラオケ、映画館、劇場、屋内および屋外のアトラクションなどの娯楽施設
◆政府機関は、これらの活動または環境設定のために施される安全管理対策について、関連する企業や組織と連携し始めている。各代理機関は、それぞれがこれら対策を実施する為の能力と準備段階に応じて、関連各企業・組織へ事業再開の為の承認プロセスとスケジュールを追ってアドバイスをしていく。
【特定の活動と設定環境のガイドライン】
安全管理原則とは別に、以下のイベントと状況には特定のルールが適用される。
- 結婚式:結婚式へのルールはよりフレキシブルになる。自宅およびROM*またはROMM*での挙式は、最大10人で行うことが可能(挙式執行人を除く)。他の会場では、安全管理の原則に基づく会場の収容人数制限に従い、最大20人(挙式執行人を除く)で開催される。
*ROM : THE REGISTRY OF MARRIAGES。国内の挙式・結婚式を管理するシンガポールの政府機関のこと
*ROMM : The registration of Muslim Marriages。イスラム教徒の結婚を取り仕切る政府機関。
- 通夜と葬儀:通夜と葬式では、一度に最大20人が出席可能。
- 職場:職場の現行の安全管理対策は引き続き適用される。雇用主は、従業員同士の懇親会等の集まりを行わないよう監督し続ける必要があり、職場では常に、最低1メートルの安全な距離を維持すること。
- 学校および高等教育機関(IHL): 2020年6月29日から、すべてのレベルの学生が学校に戻ることができる。IHLは実践的および研究室での授業を除くほとんどのレッスンをオンラインで行っており、対面学習のためにキャンパスに戻る生徒の数を徐々に増やしていく。教育省は詳細を共有する。
【国民の役割】
◆PHASE 2で再開される活動の範囲に応じて、個人間の密接な接触が増加する。さらに新しい感染のケースが予想される。新しいケース数を管理するために、引き続き注意を払うことが重要。私たち全員が安全な管理原則を順守する必要があり、遵守を怠った企業や活動がないようにする必要がある。
◆同時に私たちは、良好な個人の衛生と安全な距離を保ち、定期的な手洗い、外出時のマスクの着用、体調不良の際は直ちに医者にかかるなどの社会的責任を実践する必要がある。また、必要に応じてSAFEENTRYのチェックインとチェックアウトを行い、TRACETOGETHERアプリを携帯電話にダウンロードをする必要がある。
◆友人や家族との出会うことへの規制範囲は拡大したものの、私たちはすべての人が責任を持ち続けるよう強く求める。日々の接触を減らし、できれば密な日常的な接触の輪を制限することによって、自分自身と家族を保護する必要がある。高齢者は特に免疫が弱いので、細心の注意を払い、できるだけ家にいるようにすること。
◆個人としては、これらの処置は、私たち自身と愛する人を守るために誰もがとることができるステップであり、全体としては、これらの行動により新型コロナウイルスを寄せ付けつけいという大きな違いを生むこととなる。
【安全で持続可能な再開に向けて–誰もが役割を果たすこと】
◆PHASE 2は、新しいウイズ・コロナ(NEW COVID-SAFE NORMAL)への移行における重要なステップである。特別委員会は、状況を注意深く監視し続け、PHASE 3でのNEW NORMAL状態に達するまで、対策を緩和し続けることを目指す。私たちの目標は、感染を抑制し、高齢者や病状のある人々などの脆弱なグループを最大限に保護しながら、経済と社会を徐々に再開することにある。
◆一方、新型コロナウイルスの以前の状態には戻らないため、見込みや、ライフスタイル、規範をすべて調整していく必要がある。規律と警戒心を持ち続け、これまでのすべての努力を無駄にしないよう。共に、私たち自身の中にある回復力、連帯感、そして新しいウイズ・コロナ(COVID-SAFE)のシンガポールを達成するためにこの共同的未来の旅へ向かう社会としての強靭さを持って行きましょう。
MINISTRY OF HEALTH
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