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2020.01.03

シンガポールは赤道直下に位置するため、インフルエンザが流行する時期が2回ある。1つは北半球の冬にあたる12~2月にかけてと、南半球の冬にあたる5~7月だ。インフルエンザが流行するこの時期に知っておきたい基礎知識を紹介する。

インフルエンザとは
インフルエンザは、“Influenza”または“flu”とも呼ばれ、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症。主に3つのタイプ(A型、B型、及びC型)があり、A型インフルエンザ、およびB型インフルエンザは、世界中または街で一般的に流行しているインフルエンザウイルスだ。C型インフルエンザは軽度の散発性疾患に関連しており、あまり頻繁に発生しない。

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感染経由
インフルエンザは、主に咳やくしゃみの際に放出される感染性の呼吸液滴と分泌物を介して人から人へと広がる。感染者の分泌物が付着した部分(ドアノブ、電話の受話器など)から健康な人の鼻や口に移動した場合などに感染する。成人の場合、発症の1日前から発症後5~7日までは、他の人に伝染する可能性がある。子供や免疫システムが低下した人々は、より長い期間伝染する可能性がある。

症状
症状は突然現れることがあり、通常は次のとおりだ。
• 発熱
• 頭痛
• 悪寒
吐き気、嘔吐、下痢などの胃腸の症状は、特に子供の場合では伴うこともあるが、これらの症状はめったに目立たない。インフルエンザ合併症を発症するリスクも高く、肺炎、入院、さらには死亡に至るケースもある。以下の方は特に注意が必要だ。
• 65歳以上の人
• 5歳未満の子供
• 肺の慢性疾患を有する成人および小児
• 定期的な医療が必要な大人と子供
• インフルエンザ感染後、長期アスピリン療法を受けており、肝臓 • 脳の腫れであるライ症候群を発症するリスクがあるかもしれない生後6ヶ月から18歳の小児および少年。
• 妊娠中の女性
• 特別養護老人ホーム、中期 • 長期介護施設の住民

インフルエンザにかかっていると思われる場合の対処方法
インフルエンザに感染している疑いがある場合は、医療ケアを求める以外は家にいて、他の人との接触を避けること。療養中のジョギングやランニングなどの激しい身体活動は完全に回復するまで避ける。インフルエンザ関連の合併症のリスクが高いことがわかっている場合、または病気が心配な場合は、医師に相談し次のような症状がある場合は直ちに医師の診察を受けること。

大人
• 呼吸困難
• 胸部または腹部の痛みまたは圧迫
• 混乱
• 持続的な嘔吐
• 突然のめまい
• インフルエンザの症状は改善するが、発熱と咳で悪化する

子供
• 呼吸困難
• 肌の色が青みがかる
• 発疹を伴う発熱
• 十分な水分を飲まない
• 目覚めない、またはコミュニケーションがとれない
• 押さえつけれないほどの苛立ち

インフルエンザの治療
インフルエンザの治療には抗ウイルス薬が利用できる。それらは症状の重症度を軽減し、回復を促進。抗ウイルス薬は病気の最初の2日以内に最も効果的だ。

インフルエンザから身を守るには
インフルエンザの予防接種は、特にインフルエンザ合併症のリスクが高い人々に対して、インフルエンザから保護するために推奨されている。

Medisave(シンガポール人、永住権取得者向けの健康保険のような制度)は、インフルエンザ関連の合併症を発症するリスクが高い人のインフルエンザワクチン接種に使用できる。 発症リスクの高い人と生活したり、世話をしている人もインフルエンザの予防接種を受けるべきだ。 その他の手段は次のとおり。

特に目、鼻、口に触れる前に、石鹸と水で定期的かつ徹底的に手を洗うことにより、個人の良好な衛生状況を保つことができる。
• 咳やくしゃみをするときは、鼻と口をティッシュで覆う
• 混雑した場所を避け、仕事や学校を休んで、家にいること
• 食事時に食事を共有するときは、取り分け用のスプーンを使用する

 

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