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2019.10.22

シンガポール保健省(MOH)の押さえておきたい医療ニュースをお届け。かつて結核の高蔓延国だったシンガポールも、医療の発達や対策により罹患率は減少した。しかし、正しい知識を持ち、対処しなければ恐ろしい病気であることは変わらない。


結核とは
Tuberculosis(TB)としても知られる結核は、結核菌によって引き起こされ、感染者から飛沫感染、空気感染により伝染する病気。通常、肺に影響を及ぼすもの(肺結核)が一般的。脳、リンパ節、腎臓、骨、および関節などの、体の他の部分に病変を作ることがあり(肺外結核)、適切な治療を行わないと最悪死に至るケースもある。外気から自然に感染することは少なく、感染したほとんどの人は潜在性結核(LTBI)を発症したケースだと、咳などの結核の症状は現れず、人に感染することもない。LTBIを発症した健康な人のほとんど(90%)の結核菌は、体内で一生不活性のままで、約5%の人が最初の2年以内に活動性結核を発症。残りの5% は2年後または寿命内に活動性結核を発症する可能性がある。

結核の症状
結核の症状は影響を受けた場所によって異なる。一般的な結核の症状は次の通りだ。
• 3週間以上続く持続的な咳 • 微熱    • 寝汗   • 血痰
• 体重の減量        • 疲労    • 胸の痛み
早期発見が重要。咳が3週間以上続く場合は、すぐに医師に相談すること。医師から胸部X線検査を受けるように指示される場合があり、さらなる臨床検査のために専門医を紹介されることもある。

結核の治療
結核は抗結核薬で治療することが可能だ。通常、活動性結核には複数の薬剤を併用し、6~9カ月服薬する。処方された通りに服用し飲みきれば95%以上の人は一次抗結核薬の投与で完治するものの、途中で服薬をやめた場合、結核の再発や抗結核薬に耐性ができてしまい治療が難しくなる。薬剤耐性ができてしまった結核の治療は二次抗結核薬をに耐性ができる可能性もある。薬剤耐性結核は効果の低い薬剤を使用しなければならないため、治療は難しい。そのような状況では、感染を一掃するためにセカンドライン結核薬をより長い期間服薬する必要があり、治癒の可能性もかなり低くなる。

結核にかかるリスク
活動性結核へ進行するリスクの高い人は以下の人たちがあげられる。
• HIV感染や糖尿病などの基礎疾患のある人
• 薬物または病気のために免疫力が低下している人
• 栄養失調の人
• 薬物乱用者・薬物中毒者
通常、感染者との密接かつ長時間の接触によって感染し、結核の人が触れた物や表面に触れるだけで感染することはない。コップやカトラリー、食べ物、タバコの共用、握手や接吻、便座に触れることで感染することもない。

DOT プログラムについて
結核を治す最善の方法は、MOHの直接監視下療法による治療を受けることだ。世界保健機関(WHO)は、すべての結核患者の標準治療としてDOTを提唱しており、次のことが行われる。
• 結核患者は治療の全過程で結核治療薬の正しい投与量と併用が確実に行われるようにするため、医療従事者の直接観察のもと、各容量の薬を摂取する。
• 治療の失敗、薬剤耐性の出現、病気の蔓延を回避できるように、結核患者の反応と治療の遵守が綿密に監視されている。

結核に感染したら
活動性結核に感染した場合、次の点に注意することで家族や友人にうつさないようにできる。
・ 結核治療の全課程を終了する。症状が消え、気分がよくなっても薬が終わるまで飲みきる。
・ポリクリニックでのDOT治療に参加する場合を除き、治療開始から最初の2週間は家で安静にする。
・治療開始から2週間は人の前ではマスクを着用する。
・咳やくしゃみをするときは、口や鼻のあたりをティッシュで覆う。

結核を発症しないために
健康的な食習慣を心がけ、定期的に運動し、十分な睡眠を取る事で免疫力を高める。
結核の症状が表れたらすぐにかかりつけの医師に相談する。

MOHウェブサイトより転載