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2019.10.01

様々な文化や宗教、民族が共存する国“シンガポール”には、たくさんのものが合わさり一つとなり、互いに融合し生まれた「フュージョン」がたくさんある。シンガポールといえば誰もが知っているマーライオンや、カラフルな色彩で親しまれているプラナカンについても「フュージョン」といえよう。今回の特集では、食にも触れ、フュージョン料理が楽しめるレストランも紹介する。


観光客が必ずしも訪れる水を吐き出す「マーライオン」

1971〜72年にかけて、シンガポールの彫刻家Lim Nang Seng氏によって作られたマーライオン。当初はエスプラネードブリッジに建てられたが、その後、現在のワン・フラトンに移動してきた。かつては「世界三大〇〇」ともささやかれたが、今やマリーナベイにはなくてはならない存在。最高のロケーションの中、通称「マーライオン公園」とも呼ばれ、多くの人々が訪れる観光スポットとなっている。

皆さんもよくご存知の通り、マーライオンは上半身がライオン、下半身は魚という、なんとも不思議な姿・形をした架空の動物である。一方名前は、マレー語の“Singapura(シンガプーラ)”からきており、直訳すると“ライオンの町”。そこにフランス語の“Mer=海”をかけ合わせできたのが「Merlion」なのだ。姿も名前もまさに「フュージョン」といえる。


中国文化との融合で生まれた色彩豊かな「プラナカン」

シンガポールに住んでいると、プラナカン文化やプラナカン料理など「プラナカン」という言葉をよく耳にする。プラナカンという単語は”子孫/末裔”を意味し、15世紀後半に東南アジアに移住した中華系民族の末裔のことをいう。中国文化と主にマレーシアの現地文化が融合して生まれたのが、プラナカン文化である。

ピンクやエメラルドグリーンなど色合いが魅力的なショップハウス。プラナカン建築物の正面には、カラフルなタイルが使われ「プラナカンタイル」として知られている。タイルは、玄関や中庭、洗面台など、広く使われている。私たちが目にする多くのタイルのモチーフは幾何学的な形だが、元のタイルは、果物や花、魚、鳥、その他にも縁起の良い生き物など、東洋のモチーフが描かれていた。