• トーク
  • ライフ

2017.01.23

 ペットオーナーインタビュー.01 北井 裕子 さん

息子、恋人、そして親友でもある1 番の宝物

帰宅時にチャーリーにニッコリされると、1 日の疲れが吹き飛ぶという北井裕子さん。犬の目線で物事を考え、人間の都合で振り回さないように心がけている。シンガポールでのペットライフについて、話を聞いた。

1%ef%bc%bfimg_3204

北井裕子さん/「Japanese Pet Nanny」オーナー。ペットの輸出入手続きの代行をメインに、ペットシッティング、シンガポールでのペットの飼い方についてのアドバイス等も行う。日本への輸出手続きの相談は☎ 8112-3720 まで。
Web: www.japanesepetnanny.wixsite.com/jpnsg


胃腸をいたわり、 チャーリーの食事は手作りに

「無償の愛で私を100 %、いやそれ以上愛してく れます」。そう目を細めながら話すのは、ゴールデン・レトリバーのチャーリーの飼い主・北井裕子さん 2009 年からシンガポールでご主人とチャーリーと暮らし始めた、ベテランのペットオーナーだ。日中は仕事をしているが、少しでも時間ができるとドッグランへチャーリーを連れて行くのだという。お気に入りの「ビシャンパーク」のドッグランには、顔馴染みの犬も多いそう。その犬達に会いたい気持ちはチャーリーに負けないかも、と笑いながら話す。そんな北井さん、チャーリー の食事には強いこだわりを持っている。

「胃腸が弱い子なので、数年前からすべて手作りしています。材料を把握できるので安心ですね。野菜、魚、肉、玄米等を使った和風スタイル。チャーリーは納豆が大好きなので、私が納豆を食べる時にフタの音を聞きつけて走って来ます(笑)。実は私も夫も好きなので、たっぷり買い置きしてもすぐに冷蔵庫から無くなっちゃいますね」。
作り置きもするが、毎日出来るだけ夫婦の食材をアレンジしてチャーリーの食事も用意する。おやつのジャーキーも手作りしており、こちらも大 好物だという。

野菜、肉、魚が入った栄養たっぷりのチャーリーのご飯

160 度に熱したオーブンで、チキンを1 時間半焼いてジャーキーに


家族は〝 群れ 〞  互いの位置づけを大切に

3_re

犬は群れで行動する習性を持つと話す北井さん。上下関係を重んじる犬には、家族間でも位置づけが大切な意味を持ち、毎日の生活に影響する。「我が家の群れのリーダーは夫。命令は絶対に聞きます。仕事から戻った夫に『僕いい子にしてましたよ』と、すまし顔でアピールします(笑)。またリーダーが戻った安心感から、それまで浅かった眠りが深い眠りに移行するようで、夢を見て足をバタバタさせていることもあります」

ではチャーリーにとっての北井さんの存在というのは? 「母親かな。ご飯をあげるのは私ですし。時々 『おやつちょうだい』とせがまれることもあります(笑)。お互い空気みたいに無くてはならない存在で、また絶対に守ってくれると私を信じてくれています。雷が怖い時、まず私に助けを求めて来ます(笑)」


散歩中に猿が追いかけてきてびっくり!

4

2016年のチャーリーとの印象深かった出来事を尋ねると、こんなエピソードが飛び出した。 「『ケントリッジパーク』で散歩中、野生の猿が私達を追いかけて来たんです。以前、体中を猿に引っ掻かれて大ケガをした犬の話を聞いたばかりだったので、私の中で危険信号が鳴り響き、心臓が飛び出る思いでした。チャーリーを敵だと思ったようで駆け寄られたのですが、猿と戦うのはなぜか私。通りかかった地元の方が傘で猿を追い返 し、危機を助けてもらいました。でも気づいたら、 夫はチャーリーを連れて一足先に逃げていました (笑)。逃げることもリーダーの役目ですかね」 こんな微笑ましい出来事も、ペットと暮らすか らこそだ。

最後に、北井さんにとってチャーリーがどうい う存在か聞いてみた。「息子であり恋人であり、親友でもある。1番 の宝物です。人間のように計算して行動することがまったく無く、とにかく純粋でシンプル。犬は過去や未来を考えず、常に今を生きています。その姿勢に、日々たくさんのことを学んでいます」


 ペットオーナーインタビュー.02 Clarissa Choo さん 

毎日家に帰る度に幸せを実感する

シルバーティーカッププードルのBumBee を飼うClarissa Choo さん。自宅で4 匹の犬と暮らす大の愛犬家だ。仕事でも日々様々な種類の子犬と接する彼女に、飼い主目線からのアドバイスを聞いた。

5

Clarissa Choo さん/ ペットショップ『Wellfond Pets Thomson』のマネージャー。子犬の販売から飼い主へのアドバイス、ペットグッズの仕入 れなどを担当している。

『Wellfond Pets Thomson』
197 Upper Thomson Road
☎️6254-2197
営 月~金曜 11:00 ~ 19:00 土・日曜 11:00 ~ 20:00
Facebook: Wellfond Pets Thomson
Instagram: wellfondpetsthomson


体が弱かったのを世話するうちに離れられなく

ペットショップのマネージャーをしているClarissa さん。BamBee との出会いは仕事場だった。当初店頭に並ぶ予定でやって来たBamBee だったが、食が細かったため体が標準より小さく、特別にお世話をすることにしたのだそう。ところが次第に愛情が強まっていき、3カ月程経った時には離れられなくなっていたという。結局自分で引き 取ることに決め、現在3匹の子犬と一緒に、計4 匹の子犬達と暮らしている。

「家に帰る度に毎日幸せを感じます。BamBeeは私のひざの上が大好きで、気がつくといつもすぐに乗って来るんです」。幸せいっぱいの様子でそう述べるClarissa さん。以前は体が弱かったBamBeeも、今では1番やんちゃで行動的な性格に育ったと語る。
「ある日ティッシュを噛んで散らかしてしまっていたことがあって。BamBee は怒られるのをわかっていたらしく、申し訳なさそうな表情で私の帰りを待っていました。叱らなくちゃいけないんだけど、同時になんて愛らしいんだろうとキュンとなりました(笑)」


住環境や生活スタイルを考えた犬種選びを

お店で接客をする時は、これから犬を飼おうとしているお客さんへ飼い主目線からのアドバイスもしっかり行っているそう。
「好みだけでなく、今の住環境やライフスタイルを考慮して犬種を選ぶよう助言しています。種類によって必要なエクササイズ、食べるものなど様々。どれだけ自分が世話をする時間を割けるか等、あらゆる角度から考えた上でペットを迎え入れるよう勧めています」

当然のことながら、ペットを飼うことには責任が伴う。手間も労力もかけるのが、ペットライフには必要不可欠だ。けれど、それをする価値がある程素晴らしい経験を得られることもまちがいないはず。これから飼う人も、既に飼っている人も、そのことを改めて考えながらペットとの生活を満喫してほしい。