2016.10.05
映画天国・シンガポールで公開中/近日公開予定の話題作を紹介!
Miss Peregrine’s Home For Peculiar Children(公開中/PG13)
『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』など、独特な映像世界の奇術師ティム・バートン監督の新作。ランサム・リグズによるベストセラー小説「ハヤブサが守る家」の映画化である本作の舞台は、主人公ジェイコブが、凄惨な死を遂げた祖父の遺言に従って訪れるウェールズの小島。廃墟となった屋敷に入ると、奇妙な孤児たちに出会う。そこは、宙に浮く少女、うなじに口のある子供、植物を瞬時に成長させる女の子など、特別な能力が備わった子供たちが集まる施設だった。ハヤブサに姿を変える保護者のミス・ペレグリンに迎え入れられたジェイコブは、孤児の一人から「自分たちを守るためにあなたは生まれた」と言われる。写真収集家でもあった作家リグズの不思議な写真が散りばめられ、映画はえもいわれぬ妖気を漂わせている。『ダーク・シャドウ』のエヴァ・グリーン、『ヒューゴの不思議な発明』のエイサ・バターフィールドが出演。
Tsukiji Wonderland(公開中/G)
間もなく80 年の歴史に幕を下し、豊洲への移転が決まっている築地市場で、初めて長期撮影が許され実現した、誰も見たことのない築地の素顔を捕らえたドキュメンタリー映画。すきやばし次郎、鮨さいとうなど名だたる料理人や食に関わる一級の人々150 人にインタビューを敢行、そこには築地を世界随一の魚市場へと育てあげた数々のドラマが浮かび上がる。世界中の人々を魅了し続けた築地のフィナーレを飾る、華々しい一本だ。
Operation Mekong (公開中/TBA)
『密告・者』などの香港出身ダンテ・ラム監督が、2011 年にメコン川流域で、中国籍貨物船が海賊に襲われ13 人の船員が殺害された実際の事件を元に描くサスペンスドラマ。中国当局が、流域国のミャンマー、タイ、ラオスの軍隊と連携して捜査に乗り出した所、なんと船には大漁の麻薬が積まれていた。メコン流域の息を呑むような自然の美しさと、荒々しいアクションが絶妙なコントラストを成している。
レーティング:G=制限なし PG=保護者の判断必要 TBA=編集時点でレーティング未定
主な映画館のウェブサイト: ゴールデンビレッジ、 キャセイ ショウ
【Text by: 小林亮子】
日本の映画業界で約10 年働き、2006 年から在星。現在は2 児の子育ての合間に本コラム他執筆活動や、バイリンガル環境の子どもたちに日本語を教えている