2025.04.28
シンガポール内4カ所の博物館・美術館で無料日本語ガイドを実施しているボランティアグループの「ミュージアム日本語ガイドグループ」。シンガポールをはじめ、東南アジア各国の歴史や文化、アートに興味を持つ当地在住の日本人をメインに、有志の方々が長年にわたり活動を続けている。通常、日本語ガイドは各博物館・美術館で、午前10時半から1時間実施されていて、シンガポール国立博物館とアジア文明博物館では、土曜日の午後も行われている。
このコーナーでは、毎回一人の日本語ガイドの方にフォーカス!今回は、日比野絵美子さんにお話を伺った。
ミュージアム日本語ガイド・インタビュー
日比野絵美子さん
Q:在星歴と来星の理由を教えて下さい。
A:シンガポール航空への入社をきっかけに来星しました。その後駐在員だった夫と結婚して現在にまで至ります。在星歴は19年になります。
Q:日本語ガイドを始めたきっかけは何ですか?
A:祖父が第二次世界大戦中にシンガポールに志願兵として駐軍していました。マレー語を少し話す陽気な祖父で南方での思い出話は子供ながらにわくわくするものでした。しかし晩年は戦争のフラッシュバックで取り乱す事もあったそうです。シンガポールに長く住むようになるにつれ、祖父の辿った足跡と日本とシンガポールの歴史を深く知りたいと思ったのがきっかけです。
Q:日本語ガイドをやっていて一番良かったと思うことは?
A:ガイドメンバーになると様々なイベントやレクチャーにも参加することが出来ます。退職して子育てに奮闘していた頃は英語に触れる事も殆どなかったのですが、英語で講義を聴いたり、日本人以外のガイド達と触れ合う機会があったりと、学びの多い活動に参加できるのは魅力の一つだと思います。またガイドグループの方々は皆、博学で知性と自信を感じさせる方々が多くいらっしゃいます。憧れるロールモデルに出会えたことで、自分の目指す目標が出来ました。
Q:ガイド中、常に心がけていること、工夫されていることは?
A:博物館にお一人でお見えになる方も多いので、あまり堅苦しい雰囲気にならないように心がけています。一方通行のガイドではなくお客様からの感想なども伺いながら和やかなガイドを目指しています。
インタビュー番外編:ちょこっとプライベートなお話も♪
Q:好きなローカルフードはありますか?
A:ローカルフードは既にソウルフードですので全部好きですが、特にポピアが大好きです。切り干し大根のような甘い味とチリソースと、もちもちした生地が何とも合う!DIYセットも気軽にオーダーできるので、手巻き寿司ならぬ手巻きポピアパーティーをする事もあります。また日本からのお客様をお迎えする時などは、ローカルフードをプラナカン食器に盛り付けてお出ししたりしています。
Q:今後の夢や目標をお聞かせください。
A:狭いシンガポールに20年近く住んでいますが、その時々の生活スタイルによって見える景色は異なります。20代の頃は社会人として第二の青春を謳歌し、30代は3人の子育てに夢中でした。40代のこれからは自身の探求心に従って新しい事に沢山チャレンジして学びと飛躍の時代にしたいと思っています。
日比野絵美子さんをはじめとする「ミュージアム日本語ガイドグループ」の活動内容やスケジュールなどの詳細はこちらwww.jdguide.exblog.jp をチェック
最新ミュージアム情報
日本語ガイド・日比野絵美子さんのイチオシ展示!
特別展「Batik Nyoyas:プラナカン女性三世代に渡るバティックの美と事業の開拓」
日比野絵美子さんに、展示の概要と見どころ&チェックポイントを聞きました!
<展示概要>
インドネシアのジャワ島では、古くから「バティック」と呼ばれるろうけつ染が盛んに行われていました。現在もインドネシアの無形文化遺産として高く評価されています。1890年代から1980年代に、ジャワ島北岸のプカロンガンで工房を開き芸術的なバティックを生み出した、当地の女性3世代の生涯や美しい作品を取り上げます。
<見どころ&チェックポイント>
三世代に渡りバティックを創作したプラナカン女性たちの生涯と作品に焦点を当てています。激動の時代を生きた彼女達がどのようにして起業家としてビジネスを築き上げたのか、そして同時に卓越した芸術的職人技をどのようにして継承していったのか、その軸跡を辿っています。
場所:プラナカン博物館
期間:開催中~2025年8月31日まで
ウェブサイト:www.nhb.gov.sg/peranakanmuseum
日本語ガイドツアー:毎週金曜 13:00~
※休日・祝日や急なスケジュール変更で予定が変わる場合もあり。詳しいスケジュールは公式ブログで要確認!