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2021.08.30

シンガポールで監査にお悩みの方・会計会社を探されている方必見。日系企業御用達の会計プロ集団「Phoenix Accounting Singaporeがコラム形式でわかりやすく監査のトラブルと対処法をお伝えします!


プランニングが大事。こじれない監査の受け方


私は日本から派遣されてシンガポール子会社の責任者を任された駐在員。会社経営などしたことないし、特に決算時には監査法人の対応で業務が手につきません。助けてください!

<ストーリー>
駐在員:毎年監査は時間がかかるし、会計処理の説明も大変。特に今年は工場の稼働が落ちていて、固定資産の減損も指摘されるかも。コロナで売掛金の回収危ういし、期末に計上して売上もひっくり返されるかも。こういった問題は、、、黙っておこう。
コンサルタント:また今年もこじれますよ!決算が始まる前に話してしまいましょう。

<ポイント1>
どうせ聞かれるので、始めから言ってしまおう。タイミングは決算前、監査法人は問題をクリアする方法も教えてくれることもあります。黙っていても、重要論点は結局あぶりだされます。親会社に報告してから数字が変わると余計大変ですし、隠すことでリスクが高いと思われて、監査法人はより厳しくなります。
駐在員:でも固定資産の減損ぐらいはすぐ発見されてしまうけど、それ以外はやっぱり黙っておきたいのですが。
コンサルタント:いやいや、重要論点は全部出しておくのが重要です。

<ポイント2>
論点は全部出すべきです。監査する側も重要論点をまとめていますので、手間を省かせてしまいましょう。認められない処理などが早めにわかれば、他の方法で決算対策もできます。監査法人は会社の組織風土を評価する為、すべて始めから話す会社と思われることは、スムーズな監査に意外と重要なポイントです。
駐在員:でも、やっぱり話すと、認められない処理が出てきそうで、予算が達成できなかったらどうしようかと不安です。
コンサルタント:自分でギブアップするラインを決めると突破できることがあります。

<ポイント3>
固定資産の減損や、資産の回収可能性などの判断が伴うものについては、業種や会社の状況による為、統一的な判断基準がなく、自分で判断基準を作ることができます。それが会社のポリシーだと決めると、監査法人はそれ以上反論できません。(但し、会計基準で大まかに決まっている判断基準から大きく外れることはできません。)
駐在員:でもポリシーを勝手に決めても、以前否定されたことがあります。
コンサルタント:最終手段として、ポリシーや将来の事業の見通しについて会社の取締役会や経営会議等で承認、書面に残しておくことで、監査法人は認めやすくなりますよ。決算前に論点を確認し、経営会議などを監査の前に終わらせておく対策も重要です。

<ポイント4>
会社のしかるべき会議での結論は、監査法人として否定するのは困難です。但し、会計基準に沿った形で議論、決議をしておく必要があります。経営者が決めた判断は、最後は経営者確認書で取締役や財務責任者がサインすれば、監査法人の手続きとしては十分になることが多くあります。
 

📖教訓!始めから問題点をすべてさらけ出して、スムーズな監査を受けるべし

全ての会計や監査上の重要な論点を始めから出すことには以下のメリットがあります。
1 決算・監査対策が早めにできる。対策の修正も可能。
2 監査法人の印象が良くなり、監査リスクが低い会社とみられる。
勿論、論点の説明方法によっては会社の望むような会計処理が認められなくなる可能性は否定できません。但し、対策の良し悪しで、認められるか、否定されるかが別れる場合も多々あります。適切な説明を早めに行って、監査法人の感触を確認、スムーズな監査になるマネジメントを行いましょう。
監査を行う立場にいたコンサルタントからアドバイスを受けることも有効です。

 

監査法人対応を含め、お気軽にお問い合わせください!

Phoenix Accounting Group
グループ代表/公認会計士

伊藤哲男
 

Phoenix Accounting Singapore Pte Ltd
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