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2020.06.29

いつの日からだったか「Stay Home」生活を余儀なくされ、普段通りの生活が全くできなくなった。好きな時に外出し、好きな時に人に会い、以前の当たり前がなくなり、新しい生活様式が生まれつつある。この先に何があるのか、7つのカテゴリーに分け「変わること&変わらないこと」を探ってみた!


1. オンライン

 
直接対面することが困難となり、様々な企業の間で急速なオンライン化がはじまる。

★飲食
「GrabFood」や「foodpanda」などのフードデリバリーを利用している飲食店は以前からあったが、店内での飲食が禁止になり、新たにデリバリーやオンラインサービスに力を入れる店舗が急増している。一歩も外に出ることなく、オンラインで注文し配達してもらえるとあって利用客も増加。オンライン注文システムを提供する「Oddle」など、企業のウェブサイトを利用したデリバリーサービスも多く普及している。

★医療

医師と患者をインターネットでつないで診断を行う遠隔医療。診療所へ出向くことなく、医師とビデオ会議をする形だ。特に有効なのは、軽症と思われる患者の初診やメンタルヘルスの相談で、利点も多い。地理的な障壁の軽減、移動時間の短縮、病気の蔓延防止などがあげられる。またシンガポールでは高齢化問題もあり、数年前より公立病院では遠隔診療に対し前向きな姿勢をみせている。具体的には、スマホアプリを利用し診療の申し込みをする。服薬が必要な場合は処方箋が発行されて薬が宅配され、さらには専門医への紹介も行っているようだ。国の保健省より認可されており、ライセンスを取得した上でサービスを提供しているので安全だ。「Doctor Anywhere」「Doctor World」が、これにあたる。オンライン診療が保険の適応になるかどうかは、受診する前に各保険会社に確認しておくとよい。

★ネット環境
都市国家で光ファイバーを張り巡らせやすいシンガポール。固定ブロードバンドで「インターネット速度が最も速い国ランキング」2020年の1位に選ばれる。最先端を走り続けている。


2. キャッシュレス

 
紙幣やコインの手渡しを避け、ウイルス感染のリスクを減らす動き。キャッシュレス化が進む。

★ウェットマーケットとホーカーセンター

シンガポール政府は、これまでもウエットマーケットやホーカーセンターなどでキャッシュレス決済を推奨していたが、その動きがますます活発になっている。これはデジタル化を受け入れるために政府が支援をしていく方針を通信情 報大臣が述べたものである。ホーカーセンターやウェットマーケットの経営者18,000人を対象に、統合された「Singapore Quick Response Code (SGQR)」いわゆる「e-ウォレット」の実施を2021年秋頃までに目指すというものだ。SGQRにより、ストール保持者はPayLah、Singtel Dash、GrabPayなどの19の異なるプロバイダーを通じて支払いを受け取ることができるようになる。より早く、セキュリティ面でも確実で安全に支払え客側にもメリットがある。


3. メンタル

 
今までのように簡単に一時帰国することはしばらく叶わない。その間も繋がっていたい家族や友達がいる。

★ホットライン
自分でも気づかぬうちに溜め込んでしまったストレス。感情的または心理的に気持ちのコントロールができなくなってしまうことがある。例えば学校や仕事の問題、経済的な問題、また家庭内DVの恐れも考えられる。シンガポール政府は様々なホットラインを設けている。これは本人から助けを求めるだけでなく、近隣の迷惑行為や目に余る行動を察したとき誰でも相談することができる。

主なホットライン
・ナショナルケア 1800-202-6868
・メンタルケア 6389-2222
・暴力や虐待による児童保護専門センター 6445-0400

★家族や友達とつながる
電話やビデオ電話を通じて家族や友人と連絡を取り合うことは、精神的な支えとなり健康に大きく貢献している。日本に住む祖父母に孫の成長をみせることもいいだろう。しばらく連絡を取っていなかった旧友にも連絡してみるのはいかがだろうか。

「メンタル」セルフチェック!
1. いつも読んでいる新聞や雑誌に興味がなくなる
2. 仕事や家事をやる気になれない
3. 食べすぎてしまう。または食欲がでない
4. 眠れない。または寝過ぎてしまう
5. 集中力が保てず、いつも同じことを考えてしまう
症状が2つ以上当てはまる人はメンタル低下、要注意 !


4. トラベル

 
いずれは今までのように気軽に海外旅行が楽しめる日々が訪れるという専門家もいるが、まだまだ先のことになるだろう。

★新しい旅行のあり方
世界観光機関(UNWTO)によると、2020年4月時点で、世界の目的地の96%が旅行制限やその他の封鎖措置の影響を受けているという。今後は本帰国など重要な理由がない人たちは、旅行が可能となってもしばらくは国内や身近な旅に固執するとも考えられている。

★空の旅への懸念
現在の世界中の状況を考えると、私たちの多くがまだ飛行機での旅行について疑問や懸念を抱いている。以前よりも難しく、おそらくより高価な旅になることが予想される。9.11の同時多発テロ後は、世界中の空港でのセキュリティ検査が劇的に強化され、多くの品目制限と検査へと繋がった。同様に、新しい標準には、強化された健康診断と空港での安全対策が含まれることであろう。

★スムーズに旅をするには
ビジネスや家族の急用のために飛行機を利用するなら、まずは目的地のチェックをすべきだ。フライトを予約する前に、目的地にまだ一定の旅行制限がある場合に備えて、自らが特定の国に旅行する資格があるかどうかを確認する必要がある。情報は随時更新され変更の場合があるので、常にチェックすることをお忘れなく。


5. 支援活動

私たちに今できることは何だろうか?大きなことでなくても日々の生活の中で支援することも可能なのだ。

★お気に入りの店
店の雰囲気だったり、店主の人柄だったり、料理の内容だったり、何度も訪れてしまうお気に入りの店があるだろう。このCOVID-19の影響は受けていないだろうか?と気にかける人も少なくない。もしその店のために何かしてあげたいと思う気持ちがあるなら、実際に足を運び、店舗で直接品物を買おう!高価なものでなくてもそれはきっと支援となる。

★テイクアウェイ

フードデリバリーやテイクアウェイの利用者が増え、持ち帰り用のプラスチック容器の需要が増加。昨年シンガポールで排出されたゴミの量の30%がプラ スチックによるものというから驚きだ。持ち帰りをオーダーする際には、ぜひとも料理をいれる容器を持参してもらいたい。容器は洗って再利用することもエコにつながる。
その他の支援方法はこちら:www.jplus.sg/article


6. 新しいルール

規制が緩和され、人々の活動が再開する。「第2波」と呼ばれる感染を防ぐためにも今まで以上に行動の追跡が重要になる。

★ TraceTogether Token
ユーザーが誰と密接に接触しているかを追跡する「TraceTogether」モバイルアプリケーションは、近くのデバイス間でBluetooth信号を交換してログに記録する仕組み。これは利用者率が25%と低かったため話題になった。新たに6月中にも投入される「TraceTogether Token」は、「TraceTogether」アプリと同様のシステムで、シンガポール全住民に順次配布される計画だ。

★プライバシーの懸念

追跡が確実になることはウイルスの蔓延を早急に防ぐことになるが、一方でプライバシー問題も掲げている。「TraceTogether Token」で収集されたデータは暗号化されており、ユーザーがCOVID-19に感染しない限り政府に提示することはない。また、25日を経過した情報は自動的にトークンから削除される。以前のシステムでは感染者の行動を追跡するために2〜3日かかっていたものが、1日未満でルートを確定できる優れものだ。
正確な情報を知っておこう!
・シンガポール保健省(MOH):www.moh.gov.sg
・シンガポール政府:www.gov.sg


7. 新次世代 SNS

情報を受け取るだけでなく、自らが情報源となり発信するツールも増えている。今までにない発想から生まれる最新のSNSはなんだろうか。

★音声SNS


次世代のSNSとして注目を集める音声SNSをご存知だろうか?音声SNSとは 主にルームと呼ばれるチャット空間で個人間の会話をし、他ユーザーが聴取または参加ができるもので、会話を通じて世界と通じることができる雑談 ×SNSを融合させたサービスだ。まだ全体数はそれほど多くはないものの、現在はIT感度が高いユーザーが多く、普段は聞くことができないビジネスの話や、まるでホームパーティーのような環境に参加することができる。参加のハードルが低く(〜しながら参加できる)視聴疲れしにくいため、各ユーザーのエンゲージメントが圧倒的に高いのが特長。この音声SNSに1億ドルの資金調達を行い話題になったシリコンヴァレー発の「Clubhouse」(現在ベータ版)や、セカイカメラを開発した井口尊仁氏が新たに手がける「Dabel」など多くのアプリが台頭してきている。新しいコミュニケーションツールとしても是非トライしてみる価値はあるだろう。


最後に

皆さんもStay Home中に多くのことを考えたのではないだろうか。その中で、自分自身に必要なこと(もの)、不必要なこと(もの)がはっきりと見えてきた気がする。オンライン飲み会も楽しかったが、実際に会える喜び、感謝する気持ちや人とのつながりの大切さを実感した。特別でもない「普通のことが幸せ」と気づけたことに喜びを感じる。