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2017.07.14

ヨガを行う人であれば、メディテーション(瞑想)という言葉にはなじみがあるだろう。現代人のストレスケアにメディテーションが役立つわけ、そして自宅でもすぐできる「調気法」について、Vyasa Yoga Singaporeのヨガマスター Manoj Thakur先生に教えてもらった。

Vyasa Yoga & Ayurveda Singapore
60 Tessenson Road, Civil Service Club #03-05
☎ 9626-2425
営 月~金曜 8:00~21:00、土・日曜 9:00~17:00
www.vyasasingapore.com
Facebook: Vyasa Yoga & Ayurveda Singapore


科学的に研究されたメディテーション

メディテーションと聞いて、すぐにストレスケアに役立つとピンと来た人も多いかもしれない。インド中央政府公認の SVYASAヨガ大学で、科学的な研究に基づいて開発された「サイクリック・メディテーション」についてManoj先生に話を聞いた。シンガポールの分校でセンター長を務めるヨガマスターの Manoj先生は、現代人のストレスケアにメディテーションがとても役立つと話す。

「メディテーションはストレスに悩む人にすごくおすすめですね。大抵の人の頭の中には、ランダムな思考が溢れており、それを〝モンキーマインド〟と呼ぶのですが、その状態はエネルギーをかなり消費します。思考を同じ方向に向け、1つに絞っていくのがメディテーションの初期段階。そこへ進む為の準備は人それぞれですが、例えばロウソクの芯を見つめたり、月を見つめたりする方法が一般的です。メディテーションの中期では、努力しなくても『見ている』状態に。その後、最も深い境地である状態に移行していくというのが、メディテーション全体の流れです」

ポーズによって リラックス効果を最大限に

Manoj先生によると、複数あるメディテーション法の1つである「サイクリック・メディテーション」は、刺激とリラックスを交互に与えることで、リラックス効果を最大限にするという考えに基づいているのだという。では、具体的にどのような方法なのだろうか。

「シャバーサナ(屍のポーズ)のポーズでリラックスをした後、インスタント・リラクゼーション・テクニック、タダーサナ(山のポーズ)、アルダ・カティ・チャクラーサナなどのポーズを順に取って行きます。全部で 15 ポーズあり、 30 分で6時間の睡眠に等しい程の癒しを体感できます」

もちろんインストラクターの下で正しく行った上でのことだが、相当な効果が望めそう。注意点としては「ゆっくり行う」「思考を1つにする」「目を閉じているが完全に起きている覚醒状態になる」「ほとんど努力をしない状態でいる」「意識を拡張させる」という5つだそうで、Manoj先生を始めとするプロから直に教わることが可能だ。

呼吸の仕方にもストレスとの深い関係がある

メディテーション同様にストレスを癒す効果が期待できる、「プラーナヤマ」という呼吸法についても教えてもらった。身体に7万2千本ある気の通り道(Nadi/日本語で経路の意味)をキレイにし、気(プラーナ)の通り道をよくする方法だ。

「自律神経を整える『ナディ・シュッディ・プラーナヤマ』は、左右の鼻呼吸を意識的に行うやり方です。右鼻腔は左脳と繋がっていて交感神経に作用し、左鼻腔は右脳と繋がっていて副交感神経に作用するのですが、交互に息を吸うことにより、交感神経、副交感神経を刺激して自律神経のバランスに働きかけます」

全身のバランスを司る自律神経は、多くの人が意識したい部分。ストレスだけでなく、偏頭痛や不眠に悩む人にも試してほしい呼吸法だ。メディテーションがすぐに習得できないという人でも、この呼吸法は手軽なので、今日からでもぜひ試してほしい。

自律神経を整える呼吸法『ナディ・シュッディ・プラーナヤマ』

教えてくれるのはシニアヨガインストラクターの Shivani先生。背筋を伸ばして座り、イラストの様に指の形を作って準備。理想は目を閉じてゆっくりと行うこと。

①右鼻腔を右手の親指で押さえ、左鼻腔より息を吸う
②左鼻腔を左手の薬指と小指で押さえ、右鼻腔より息を 出す。そのまま、右鼻腔より息を吸う
③右鼻腔を右手の親指で押さえ、左鼻腔より息を出す。①〜③を5〜10回繰り返す
④両手を膝の上に置きリラックス

 

①右鼻腔を右手の親指で押さえ、左鼻腔より息を吸う

②左鼻腔を左手の薬指と小指で押さえ、右鼻腔より息を出す。そのまま、右鼻腔より息を吸う

③右鼻腔を右手の親指で押さえ、左鼻腔より息を出す。① 〜③を5〜10回繰り返す

④両手を膝の上に置きリラックス