2017.06.21
シンガポールの2大名物メニュー、バクテーとチキンライスが日本にも進出。アジア料理のメニューの一部でなく、現地と同じ専門店として勝負に挑んでいる。日本でのこだわり、日本人からの反応から食事情まで、その思いを伺った。
新加坡肉骨茶 Singapore Bak Kut Teh
その高い栄養価ゆえに、昔は肉体労働者の朝食だった肉骨茶(バクテー)だが、今やシンガポールには欠かせない一品。日本ではほぼ知名度のなかったバクテー専門店が、2017年4月に東京・赤坂にオープン。運営する株式会社クロスロード・ファクトリー創業者の高橋彰宏さんに、 こだわりや日本での反応を聞いた。
なぜ赤坂に出店を決めたのですか?
アジア料理が多く、ビジネスエリアで飲食店も豊富であるということ、かつ路面店であることが最終的な決め手です。他に、麻布十番や青山エリアも候補地ではありました。
貴店のバクテーの魅力、 こだわりを教えてください。
豚肉の処理や下ゆでの方法など、手間暇をかけています。コラーゲンは残しつつ、油っぽさを減らしているので、コクがあるのにさっぱりとしたスープに仕上がっています。もちろん、出汁の取り方にも工夫し、 10 種類の漢方をブレンドしています。また無添加であることに1番こだわり、その旨味を出すために、さまざまな国産旨味素材をブレンドしています。
日本ではどのように 食材を調達しているのですか?
全国各地から良質の素材を厳選しています。漢方は基本のブレンドに、季節ごとに種類や配合を少し変えています。現地は常夏ですが日本には四季があるので、季節によって崩しやすい体調の管理まで考えています。
どのような客層ですか?
20 〜 40 代の女性が半数で、男性4割、外国人のお客様が1割ほどです。バクテーを過去に召し上がったことがある方は半数以下ですね。
日本初のバクテー専門店として話題になっていますが、日本の食事情について、今後どのような変化が見込まれるでしょうか。
バクテーはそもそも日本人の舌が喜ぶメニューなので、これまでなかったのが不思議なくらいです。シンガポール料理店のメニューの一つとしては存在していましたが、味は現地とは程遠いと、私たちだけでなく、現地駐在経験者の多くも感じていました。なので、本場の味を知っている方々に満足いただける専門店を日本初出店しました。 現在「骨あり油条セット」(¥980)等を提供しています。私たちが頑張ることで、後から続くお店が増えると思っています。海南鶏飯がそうであったように。日本の多くの皆さんにバクテーは支持されると確信しています。
日本から見て、シンガポールはどのような国だと捉えられているでしょうか?
とても清潔で、アジア圏で親しみがあり食事もとてもおいしい国です。マリーナベイサンズ開業以降、シンガポールへの旅行者は急速に増えていると実感します。また女性誌のシンガポール特集も頻繁に目にしますね。
新加坡肉骨茶/シンガポールバクテー
東京都港区赤坂5-4-14
☎ +81(0)80-4734- 1128
営 月~金曜 11:30 ~ 23:00、土・日曜・祝日 11:30 ~ 21:00
休 不定休(Facebook にて随時お知らせ)
www.sgbkt.jp
Facebook:sgbkt
Instagram: sgbkt8910
威南記海南鶏飯 Wee Nam Kee Hainanese Chicken Rice
2015年7月に東京・田町に日本一号店をオープンした同店。シンガポールチキンライスを日本に浸透させた大きな担い手であり、現在は銀座、中野と 3店舗まで拡大するほど高い支持を得ている。株式会社Wee Nam Kee JAPAN取締役の三浦礼衣さんに、日本での事業展開について話を伺った。
貴店のチキンライスの魅力、 こだわりを教えてください。
食材や製法など、シンガポール現地の威南記の味を忠実に再現することに、特にこだわっています。「スチームチキンライス」(¥1300/ラン チ時は¥1100)で提供しています。
日本での食材・調味料選びは どうしていますか?
現地と同じ食材、調味料を使用するようにしています。どうしても難しいものに関しては、日本において何回も試食会を重ねて現地の味に近いものを選定しています。
どのような客層ですか?
日本上陸以来、テレビや雑誌など多くのメディアに取り上げていただいたことから、学生やサラリーマン、ご家族層まで老若男女、幅広い客層から支持されています。中でも、シンガポールへお仕事やご旅行に行かれたことがある、もしくは興味がある 20 〜 40 歳代の女性のご来店は多いですね。
味は忠実に再現されているとのことですが、現地と日本で変えている点はありますか?
たくさんの方にシンガポールチキンライスを知っていただくために、開放的でリゾート感あふ れる南国をイメージしたインテリアデザインにしています。
これまでは現地に赴かないと味わえなかった様々な国のローカルフードが、日本に進出するようになってきました。日本の食事情について、今後どのような変化が見 込まれるでしょうか。
シンガポール料理においてという観点からだと、チリクラブ、チキンライス以外の料理はほとんど日本人には認知されていません。今後はもっと多くの方にシンガポール料理を伝えていく活動をしていきたいと思っています。
日本から見て、シンガポールはどのような国と捉えられているでしょうか?
マリーナベイサンズがテレビCMに使われて以降、先進的で「お洒落な南国リゾート=シンガポール」というイメージが強まったのではないかと感じています。今後の発展も楽しみです。
甘さと辛さが融合した深い味わいがやみつきになる「フィッシュヘッドカリー」(¥2800)
ピリッと刺激の強いシンガポールの定番料理「サンバルカンコン」(¥1100)
Wee Nam Kee Hainanese Chicken Rice 威南記海南鶏飯
日本本店:東京都港区芝浦3-4-1 田町グランパーク1F
☎ +81(0)3-5439-9120
営 月~金曜11:00 ~ 14:30(L/O)/ 17:30 ~ 22:00(L/O) 土・日曜・祝日11:00 ~ 14:30(L/O)/ 17:00 ~ 21:30(L/O)
休 なし( 年末年始・施設休館日を除く)
※ ほか、銀座EXITMELSA 店(+81(0)3-3575-5150)、 中野セントラルパーク店(+81(0)3-6454-0573)もあり。
weenamkee.jp
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Instagram: weenamkeechickenrice.japan