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2017.06.21

変わりゆく食事業において、最新技術を駆使し、システム開発が進むシンガポールファーム。新鮮な農産物供給に取り組む実態を紹介する。


国産野菜を作り続けて30年、 Kok Fah一家の農園

Photo by Kok Fah Technology Pte Ltd

食料供給の大半を輸入に頼り、食料自給率は1割未満と言われるシンガポールで、農業の活性化に積極的に取り組んでいる人たちがいる。

緑豊かなチョアチュカン地区に位置する家族経営の農園『Kok Fah Technology Farm(KFTF)』では、 30 年にわたり国産の葉野菜を栽培。最新の技術や機器を農法に取り入れながら、限られた敷地で生産効率をあげる工夫を続けてきた。昨年は、ハイドロポニックス式(水耕栽培)のビニールハウスも新設、カンコンやレタス、多種のホウレンソウなどが、それぞれに適した水耕農法で栽培されている。ビニールハウスで栽培される葉野菜は、苗からわずか約2ヶ月というスピードで収穫され、フェアプライスなどのスーパーやレストランに納品。地元で生産されたものを地元で消費する、いわゆる「地産地消」が実現されている一例だ。

採れたての国産野菜が手に入るウィークエンドマーケット

KFTF では、毎週土日にウィークエンドマーケットを開催。農園で収穫された葉野菜やトマトを始め、新鮮な輸入野菜や自家製アロエから作ったジュースも販売される。週末になるとツアーバスが何台も乗り付けるほど、シンガポール人たちにも大人気だ。学校や団体で参加できるファームツアーも行なわれており、農園が栽培する野菜の紹介やハイドロポニックスの栽培行程など、実際に毎日の農作業に携わっているファーマーか ら話を聞くことができる。

詳細は、Kok Fah Technology Farm http://www.kokfahfarm.com.sg/ にて。

オーチャードの農園Com Crop は、 コミュニティとの絆となる

オーチャードのビルの谷間で元気よく育つ野菜
Photo by Com Crop

オーチャードに農園があると聞いたら、驚く人は多いだろう。あの一等地の一体どこに? なんと、若者が集う*Scape の屋上に、まさに空中農園のようなスペースが存在する。ここでアーバンファーム(=都市型農業)を展開する『Com Crop』は、都会で失われつつある、食物栽培と人々の生活の結び付きの再生を目指す。

特別支援学校などの生徒たちに野菜やハーブの種から苗までの栽培を依頼し、苗の段階で一旦『Com Crop』が買い上げ て、引き続き育てる。その後、育成したものを学校が再び買い上げ、生徒たちがバジルソースなどの商品を作ったら『Com Crop』が買い取り販売するという画期的なシステムを構築した。出荷作業を担当するシニアの人々にはアルバイト代が支払われ、苗植えなどには大勢のボランティアたちも参加し、まさにコミュニティ活動により成り立っている農園だ。

ここで栽培されるバジル、ペパーミント、ローズマリーなどのハーブは、レストランに直納される。オーナーが日本を訪れた際に買い求めた、わさび・レタスの種を見事に育て上げ、 5月中旬頃にはちょうど収穫が行われていた。毎月第1土曜日にファームツアーを実施。

詳細はCom Crop https://comcrop.com/ にて。

シンガポールの太陽の下で青々と育ったわさび

その他、クランジにあるオーガニックファームの『Quan Fa(http://quanfaorganic.com.sg/)』 や、定期開催されている『ファーマーズマーケット(http://kranjicountryside.com/)』など、シンガポールの農業の様子を垣間見ることのできるスポットやイベントがたくさんある。ぜひ足を運んで、シンガポールの新たな一面を発見してほしい。


プロモーション付き「Eat Local」プログラム開催!

Kok Fah ファームツアー+採りたて野菜のサラダ作り+ワークショップ
日時:7 月2 日(日)9:00 ~ 13:00
集合・解散場所:MRT Choa Chu Kang 駅 8:30 集合/ 13:30 解散
参加費:S$80(ファームツアー・昼食・アート教材・チャーターバス含む)
対象:9 歳以上(大人も大歓迎!)
定員:35 名
申込み・問い合わせ先 担当者: MACO & ACCOMPANY  皆川 正子
☎ 8182-9462  info2macoaccompany@gmail.com

J+PLUS読者特典:参加費10%割引(S$80→S$72)
※「J+PLUS を見た」と伝えること/定員になり次第終了