2017.05.19
Lingua Franca Holdings CEO
藤山 英昭さん
ふじやまひであき。妻、6 歳の娘と共にシンガポールで暮らしている。幼稚園への送り出し、お風呂、寝る前の絵本の読み聞かせを毎晩担当する。マレーシア4 年、シンガポール8 年、東南アジア在住歴12 年の企業家。
Lingua Franca
www.lf-holdings.com
子育てをすることで自分も成長できる
自身で会社を起こし、シンガポールをベース に東南アジア各国でビジネスを行う藤山英昭さん。常に子どもとの時間を優先しながら、仕事を上手に両立させて来た1児の父だ。 「子どもに大事な話をする時は、僕自身もそれを実践出来ているか問いかけるようにしています」。育児において心がけていることを尋ねると、まずその答えが返ってきた。
「嘘をつかないとか基本的なことが多いですが、そういうことは大人になっても大切ですよね。言う側が出来ていないと、説得力に欠けると思うんです。それ以外のことも含めて自らを振り返る時間が増えたので、子育ては〝 子どもを育てる〞と同時に、自分も成長させてもらっている感覚がありますね」
目を細めながら、父親としての6年間をそう振り返る藤山さん。娘の佳音(けいと)ちゃんは現在6歳で、来年から小学校へ上がる年齢だ。今は幼稚園へ送り出しを藤山さんが担当しており、家からの徒歩 20 分の道のりが、父と子2人きりの愛おしいひとときだと頬を緩ませる。
「手を繋いで歌を歌ったり、犬や猫をどっちが先に見つけられるかというゲームをしたり。ささいなことですけど、小学校に入ってバス通学になったら出来なくなる。今だけだと思うと、大切な時間だと感じます」
働く姿を見せることも教育のひとつ
親が働く姿を見せるのも教育のひとつと考えている。手がけている飲食店を訪れる際に、子どもを連れて行くことも時折あるのだそう。
「6歳ともなると、親がどんな仕事をしているのかある程度理解しています。特に同じ職業を目指して欲しいと思っているわけではないですが、何かに取り組んだり挑戦したりしている背中を見せるのはいいと考えていて。自ら切り開く力を持つ大人になってほしいと願っているので、働く姿から何かを学び取ってくれたら嬉しいですね。まあ、行き先がケーキ屋さんの場合だと、純粋に喜ぶからという理由もありますけど(笑)」。
家で仕事をすることも多いといい、隙間時間を活用しながら家庭と仕事をやりくりしている。 家事は奥様が主に行っているそうだが、毎晩の読み聞かせは藤山さん。どんなに疲れていても欠かさないようにしている。
父親になってから丸くなった
多くの男性がそうであるように、藤山さんも〝 子どもが誕生してから丸くなった 〟と言われるのだそう。小さなことでイライラしたり、怒りを覚えることが減ったという。
「職場では特に言われます、子どものおかげで柔らかくなったと。自分が人として学ぶことも多いですからね。実は以前、1人目を流産で亡くしたことがあり、その時人間が産まれるのは簡単じゃないと痛感しました。その経験を経たことも大きいですね。父親という存在の重さをより深く考えるようになりました」
そしておそらく、親同士の交流に積極的なことも背景にあるかもしれない。というのも、藤山さんは幼稚園のイベントにもよく参加している。毎年恒例の「スポーツデー」には企画を練る所から携わり、3年連続でブースを出しているのだそう。ビジネス外の人とのコミュニケー ションが増したことも、変化の要因と言えるだろう。ちなみに幼稚園のイベントは今年までの参加となる為、少し寂しいと藤山さんはこぼす。
緑の中を走ってリフレッシュ
たまには、1人になりたい時もある。そんな時はどうしているのだろうか。
「自宅周辺は緑が豊かなエリアなので、夜仕事に煮詰まると、3キロ位走ったり歩いたりして、息抜きをします。家族と仕事、双方にとって快適な環境に住めているのでありがたいですね」 シンガポールは子育てをする父親にとって住みやすい国だとわかる言葉だ。日本とアジアを繋ぐビジネスに従事する藤山さん。ビジネスマンとして、父として輝きながら、ますます活躍の場を広げて行くだろう。
◆子育てポリシー
子どもに大事な話をする時は、 自らも出来ているか振り返る
◆仕事&育児の必須アイテム
妻が送ってくれる子どもの写真
「仕事の合間に眺めて元気をもらいます」