ロミオ役のフリーデマン・フォーゲルにインタビュー

シェイクスピアの悲恋の物語「ロミオとジュリエット」がシンガポールで公演される。主人公たちの感情を色濃く投影した振付、音楽の美しさと見事にマッチしたpas de deux など、迫力ある内容が各国で絶賛を浴びている。シュツットガルト・バレエ団ならではの本公演の見所を、ロミオ役のフリーデマン・フォーゲルに聞いた。

一つひとつの振り付けが物語をクリアに映し出す

Q シュツットガルト・バレエ団による『ロミオとジュリエット』の魅力を教えてください

この作品は、John Cranko 氏の振り付けによるバージョンで、数ある『ロミオとジュリエット』の中でも特別なもののひとつです。前もってプログラムを読んで内容を頭に入れておく必要がまったくないほど、バレエの振り付け一つひとつがストーリーをすべてクリア映し出しており、シェイクスピアの世界を生きいきと描いています。そして音楽も、非常に素晴らしい。観客にとってだけでなく、僕たちダンサーにとってもスペシャルなものだと感じています。

Q 演じるロミオ役のどういう所が好きですか？

ロミオは情熱に溢れています。衝動的で、愛を強く求めている。これら役の要素すべて、そしてステージで披露されるダンスがとても好きです。

男性ダンサーにとって最もハードな作品

Q ロミオ役を演じる上での大きなチャレンジは？

何といっても身体的なチャンレジです！ Cranko 氏の『ロミオとジュリエット』は、男性ダンサーにとって最もハードな作品のひとつ。パートナーとペアで行う振り付けがとても多く、また斬り合うシーンや走るシーン、さらにクライミングといったアクションが随所に溢れています。
ハードなシーンの1 つに、例えばデュエットで踊る「“balcony”pas de deux」があります。客席から息を呑むほどの迫力を味わえるはず。けれど一方でよく見ると、ジュリエットがほぼ地面へ足を付けていないことに気づくと思います。つまり、僕がずっと持ち上げている、ということなんです！

Q 世界中で『ロミオとジュリエット』が愛され続けるのはなぜでしょうか。

現代においても未だ通じる、真実に触れたストーリーだからではないでしょうか。世界的に有名なラブストーリーが、各国の言葉に翻訳されることによって、言語の壁は取り除かれ、すべての世代の心に届く。特に「“balcony” pas de deux」は、ピュアな初恋の瞬間を人々に思い起こさせ、魂を揺さぶるのだと思います。

Q 日本人のファンも多いシュツットガルト・バレエ団。どういう所に人々は惹かれているのだとお感じですか。

日本人であろうとドイツ人であろうと、バレエを愛する者は国境を越えた仲間であり、家族だと思っています。パフォーマンスが観客の心に感動を与えることができたなら、それが人々を再び劇場へ呼び戻す力になるのだと思います。日本人のお客さんは非常に洗練されていて知識もあり、ステージで繰り広げられることに対して、とても繊細な目を持っていると感じます。

Q 日本の文化や物で、好きなものを教えてください。

何度も東京を訪れたことがあるのですが、食べ物、エキシビジョン、アートシーンなど、毎回あらゆるものにワクワクさせられています。バレエを取り巻く環境は、特に充実しているとも感じますね。世界中からトップクラスのバレエカンパニーが、パフォーマンスをしたいと集まって来ている。実に素晴らしいと感じます。

Q シンガポールで楽しみにしていることは何ですか？

今回2 度目の滞在になるのですが、シンガポーリアンの友達に会って、市内を観光したいと思っています。

Q シンガポールのファンへメッセージをお願いします。

僕の大好きなバレエの演目で再びシンガポールへ行ける事を、非常に嬉しく思っています。劇場だけでなく、シンガポールの美しい街並みの中で、素敵な時間を過ごすのを楽しみにしています。

Stuttgart Ballet in John Cranko’s Romeo & Juliet
シュツットガルト・バレエ団 『ロミオ＆ジュリエット』
日時：10 月12 日（木）～ 14 日（土）20:00 ～ （2 時間40 分※ 20 分休憩2 回含む）
場所：Esplanade Theatre
チケット： S$60*　S$90**　S$120　S$200
* その他割引チケットあり
チケットは、ウェブサイト（www.esplanade.com）、SISTIC（www.sistic.com）、 Esplanade Box Office で販売中

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