2021.05.30
2021年上半期の最後の月。6月。コロナに翻弄され、長期的な計画を立てにくい今、この先に起こることをもう一度考えてみるのもいいだろう。きっと充実の下半期へ繋がるはずだ。
1. LOC制度廃止で雇用者、企業はどうしたらいい?
昨年、EPの取得基準が変更されたのに続き、今年3月にDP保持者の就労に関して制度が変更。5月以降LOCの新規申請ができなくなり、EPやS Passなどの就労ビザ取得が必要となった。現在LOCで働いている人は、期限内は就労可能。その後EP、S Passを取得できるよう、シンガポールで求められるスキルを磨き自身の市場価値を上げよう。
一方雇い主である企業側は、現在採用している日本人DP保持者のLOC期限が切れたあとの人員確保が課題となる。今の人員にプラスしてEPやS Passを取得する余裕があれば問題ないが、そうでない場合は別の方法が必要になる。
どうしても日本語力が必要であれば、永住権を持っている日本人を募集するか、日本語が堪能なローカルの採用を検討することになるだろう。前者の場合は対象人数が限られるため、早めの採用活動が肝心。また、後者の場合は、日本語だけでなく英語や中国語も堪能な人材を獲得することができるので、任せられる仕事の幅が広がる可能性がある。
2. ワクチン接種で行動の自由度が広がるか?
シンガポール国民や永住権保持者のみならず、長期滞在者であれば誰でも無料で新型コロナウィルス・ワクチンを接種できる。2月に高齢者から接種が始まり、5月19日からは40歳以上からワクチン接種の登録が開始された。現状ワクチンで接種者もマスク着用はマストだが、行動の自由が広がる可能性がある。例えば、結婚式やコンサートなどのイベントでは、参加者がイベント前検査を受けることで参加人数の上限が緩和されるが、ワクチンを 2 回接種した人はイベント前検査を受けずにイベントに参加できる。今後は、コロナ感染者の少ない国への旅行や帰国後の隔離免除など、規制の緩和が期待される。
3. 昨年中止のGSS。今年はオンラインとオフラインのハイブリッドで復活!
ショッピング大国シンガポール。中でも6月から7月にかけて行われるThe Great Singapore Sale(GSS)は普段は値引きをしない有名ブランドもセールを行う一大イベントだ。2020年はコロナの影響で実店舗でのセールは中止されたが、今年は「GSS:Experience Singapore」として、実店舗とオンラインで実施される。この機会に、シンガポールならではのローカルデザイナーによるアパレルやアーティストの作品をゲットしてはいかが。
4. もう利用している?シンガポールの5G事情
昨年、Singtel などの通信事業者に免許が交付された5G。サービスがスタートした今年1月には、Singtel では57の地点で5Gを利用できるほか、Starhubでは46の地点をカバーしており屋外エリアの70%で利用可能としている。また、Singtelでは新製品としてスーツケースサイズの「ポータブル5Gプラットフォーム」を発表。5Gネットワークをどこにでも持ち運びできるもので、企業はアプリ開発での通信テストやハッカソンなど一時的に5Gネットワークを必要とするイベントなどでも利用可能。
今後は、動画ストリーミングなどの個人での利用の改善はもちろん、交通インフラでの利用で渋滞や環境汚染を軽減するなど、様々な効果が期待されている。
5. トムソン・イーストコーストラインに新路線が開業予定
2030年までに鉄道路線を約360kmに拡大することを予定しているシンガポール。目下注目されているのが北西のウッドランドから南のガーデンバイザベイを経て東のスンゲイべドックに抜ける新路線トムソン・イーストコーストライン。昨年ウッドランズに3駅が開通したプロジェクトのステージ 2となるスプリングリーフからコールデコットまでの6駅はすでに完成し、2021年第3四半期の開通に向けて準備を進めている。ステージ 3ではマウント・プレザントからガーデンバイザベイ(オーチャードやグレート・ワールドを含む)までの13駅が2022年開通する見込みだ。
6. 日本とシンガポールの外交樹立55周年
2021年は日本とシンガポールにとって記念すべき年であることをご存知だろうか?
両国は 1966年4月26日の外交関係樹立してから今年で55年を迎える。その友好と協力の歴史の中で、日本は1980年代の高度成長期に当時最先端の生産技術や地域を守る交番制度をシンガポールに伝え、その後の躍進を支える礎となった。「SJ55」と題された取り組みも今後行われる予定だ。是非チェックするといいだろう。
記事協力:
GOOD JOB CREATIONS(SINGAPORE) PTE LTD