2024.10.28
「好きな日本の食べ物は?」との質問に「寿司」と答える人はかなり多いだろう。気軽に食べられる回転寿司や職人の腕が光る高級寿司、家庭で楽しむ手巻き寿司など、様々なシチュエーションで大活躍の寿司は、日本人にとって無くてはならない食文化と言えるだろう。そんな日本を代表する寿司ではあるが、その起源や歴史について知らないという人もいるのでは?そこで、今回は日本の寿司の起源に関する豆知識をご紹介しよう。
寿司の起源は?
古代の保存食が寿司の起源と言われている。中国から伝わった「なれずし」と呼ばれる魚を塩と米で発酵させて保存する方法が進化して誕生した。奈良時代には、すでに存在が確認されており、貢物として献上されていた。鎌倉時代には、余った魚を使用して作られるようになった。その後、発酵を待たずすぐ食べるために米酢を用いることも増え、その結果、「早寿司」が生まれた。
握り寿司はいつ生まれたの?
江戸時代には、発酵させた魚と酢飯を型に押し込んで作る「押し寿司」が誕生。保存性が高く、持ち運びにも便利ということで人気を得た。さらに、現在の寿司の原型と言える「江戸前寿司」と呼ばれる新しい寿司が登場。漁業の流通が進化し、鮮魚が手に入れやすくなったことで、新鮮な魚を酢飯の上に載せるスタイルが江戸で発展した。バランスの良い塩加減と爽やかな酸味が特徴の寿司が、町人文化の広がりとともに、手軽に楽しめる料理として認知されていった。
どのように全国に広がったの?
一説によると、大正12年の関東大震災後、東京から寿司職人が各地に移動したことによって江戸前寿しが日本全国に広まったと言われている。
当時の人気の寿司ネタは?
エビが一番人気だったそう。アジやコハダ、ヒラメ、キスもよくネタとして使われていた。マグロは、江戸時代の末期に使われ始めたが、当時は下魚として扱われていてネタとしては後発。特に、トロは一番価値が低い部分で、寿司屋で使われることはほとんど無かった。現在のように脂肪の多いクロマグロが高級品になるのは関東大震災以後である。
高級寿司店が増えたのはなぜ?
昭和に入ると衛生上などの理由で、屋台の寿司が廃止に。その結果、庶民の食べ物という位置づけから、高級志向へ変化していった。しかし、回転寿司が誕生したことをきっかけに、再び気軽に味わえる庶民派の店も増えていった。
世界で人気を得たのはいつ?
20世紀に入ると、寿司は日本国内だけでなく、世界中に広がっていった。第二次世界大戦後は日本の経済成長とともに安定した人気を獲得。1950年代以降、欧米各国に寿司店が続々と開店した。日本の伝統的な寿司とは違う独自のメニューも登場。アメリカで生まれたカリフォルニアロールはアボカドやカニカマなど、アメリカで手に入りやすい食材を使った寿司で、手軽に楽しむ新スタイルが支持を集め、逆に日本でも取り入れられるようになった。
外国人との会話でよく話題になる「寿司」についての豆知識はいかがでしたか?ぜひどこかで活用してみてくださいね!