2017.05.19
シンガポールに在住の皆様に、ぜひ知っておいていただきたい医療や健康に関するさまざまなトピックを、ラッフルズ・ジャパニーズクリニックの日本人医師が、図表やグラフなどを交えてわかりやすく解説します。
マンモグラフィー
マンモグラフィーは、乳がんを診断する方法のひとつで、乳腺・乳房専用のレントゲン撮影です。乳房をはさみながら圧迫して、片側につき上下方向から1枚、左右方向から1枚合計2枚撮影します。乳房を圧迫しながら薄く均等に広げることによって、少ないレントゲンの量で乳房の中をより鮮明に見ることができます。(図1、正常な乳房)マンモグラフィーは、乳がんの初期症状の1つである石灰化や腫瘍などを発見できます。特に、早期乳がんの唯一のサインである、ごく小さな石のような石灰化を鮮明に写し出せるのが大きな特徴です。(図2、乳がんによる石灰化)
図1:がん(左)、図2:正常(右)
図3:高濃度乳房
しかし、マンモグラフィーが検査として適さない乳房を持つ人もいます。乳腺濃度が高い「高濃度乳房」と呼ばれるもので、若年者や授乳経験の少ない女性に多いとされています。乳房は主に乳腺組織と脂肪組織で構成されていますが、脂肪が少なく乳腺組織の割合が高い「高濃度乳房」は「デンスブレスト」とも言われ、マンモグラフィーでは真っ白く描出されてしまうため、腫瘍があった際にその判別が非常に難しくなります。(図3、高濃度乳房)マンモグラフィーで「高濃度乳房」と言われたら、乳房超音波検査など他の画像検査を併せて受けることをおすすめします。
今回の担当ドクター
中澤 哲也 医師 Dr. Tetsuya Nakazawa
東北大学医学部卒業
東北大学医学部大学院修了、医学博士
2008年12月より現職
日本内科学会認定内科医
日本糖尿病学会専門医
日本消化器病学会認定消化器病専門医
情報提供: ラッフルズ・ジャパニーズクリニック
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