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2017.01.27

あの人気コーナーがより知的により多彩になってかえってきた! 在留邦人を代表する多読家・安藤浩久が、話題のあの本に快刀乱麻を断ちまくる! あなたの『次の一冊』は、ここにある。


『最後の秘境 東京藝大』

二宮敦人[新潮社]

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日本屈指の難関大学で芸術に青春を捧げる学生たちに取材したノンフィクション。個性的すぎる芸術家の卵たちのエピソードは一般人の斜め上を行くモノばかりで、やはりアーティストはこうでなければと深い感動を覚えました(笑)。これを読んだら東京藝大の学園祭に行きたくなること必至。


『観光立国の正体』

藻谷浩介/山田桂一郎[新潮新書]

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自分たちの商品を押し付けるのではなく、市場が求めているモノを作り出すアプローチが重要というマーケティング的発想から、いまや国策にもなっている観光業の振興にとって真に大切なことは何かを説いています。観光業だけでなく、これからのビジネスを考える上で示唆に富んだ1 冊です。


『梁塵秘抄』

後白河院/植木朝子編[角川ソフィア文庫]

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平安末期に民衆の間で流行した歌謡「今様」を集めた『梁塵秘抄』から、代表的な歌を抄訳して解説を加えた入門編。有名な「遊びをせんとや生まれけむ」など、ほぼ同時期に編纂された新古今和歌集に比べると現代の感覚に通じるところがはるかに多く、原文でも読みやすいことに驚きます。


『岳飛伝 一 三霊の章』

北方謙三[集英社文庫]

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おなじみの「水滸伝」にキューバ革命などのスパイスをまぶして、まったく新しい歴史物語を構築した北方謙三のライフワーク。アツい漢の話が好きな方にはぜひ読んでいただきたい作品ですが、シリーズ全体で51 巻にも及ぶ大長編なのでうかつにオススメできないのが悩みどころです(苦笑)。


『週末探偵』

沢村浩輔[文藝春秋]

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イケメン2人組が始めた週末限定の探偵事務所の活躍を描いた連作短編集。ストーリー展開や結末に首をひねりたくなるようなお話もありましたが、最後のオチでそれまでの景色の見え方が一変する「探偵たちの雪遊び」は、最近読んだミステリ短編の中では個人的にベスト3 に入る秀作でした。


『日本の聖域 ザ・タブー』

「選択」編集部 編[新潮文庫]

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新聞やテレビなどの大手メディアが触れようとしない「聖域」となっている様々な組織や制度に巣くう問題を取り上げた告発の書。「報道の自由度ランキング」で日本が先進国の中ではワーストクラスの72位となっているように、日本のメディアに自主規制がどれほど多いかを思い知らされます。


KINOKUNIYA リャンコート店ユキの 週末読書にこの1冊 !

『syunkon日記 スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件』
山本ゆり/ 扶桑社

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大人気レシピブログから生まれた、笑いがとまらないエッセイ集の第2 弾

こんなに笑えるレシピブログ見たことない! ファッション用語がわからない、なんとか系女子について思うこと、他愛もないこと、などなど著者が日々感じることに軽快な関西弁でツッコんでみたり(つまり自分でボケて自分でツッコむ)、友達の話、仕事の話、実家に帰省するたびに遭遇する大量の食事の数と量とそのおいしさ、どれも共感するか声をあげて笑うかのどちらかです。ふと思い出したかのように、たまに登場するレシピがまた簡単で美味しそうで。

前作も大爆笑の大満足だったのですが、今回の大きな変化は、最後の章で幼少時代の困難を綴っていたこと。両親のいさかいや一家を襲う災難などを書かれたのは、「世の中、問題のない家庭なんてない、むしろあって当たり前」という著者からのメッセージ。それも含めて、「今となってはただのネタやで!」と言い切ってしまう著者、ますます好きになりました。

情報提供:BOOKS KINOKUNIA

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