• Singapore Youth Report
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2022.10.28

Youth Report by NUS

シンガポール国立大学(NUS)語学教育研究センター(CLS)LAJ4203 Newspaper Readingの日本語履修生が日本語で様々なトピックを綴ります。


野良猫とその可愛さの裏側

見られるたび人々に「かわいい!」と叫ばれる猫たち。シンガポールも日本も、道端で野良猫たちがのんびりとじゃれ合っている姿がよく見られる。シンガポールには野良猫が5万匹くらいいて、日本でも東京都だけで約十万匹いる。

猫の可愛らしさを満喫できるものの、野良猫の厳しい生活環境を心配している人は少ない。野良猫のために設けられた動物愛護センターや愛護団体もあるが、すべての野良猫を助けるのは不可能と言えるだろう。それらの愛護団体が予算や施設の制限範囲内でできるだけ多くの野良猫を保護し、里親を募集して譲渡するしかない。里親が見つからない動物が病気などにかかっている場合には、殺処分、即ち、安楽死を行う可能性もある。ある調査によると、2018年日本では約7,000匹の犬と3万匹の猫が殺処分されたという。

人々の動物保護意識が高まる一方で、野良猫たちの生活には著しい改善がない。なぜそうなるのか?野良猫が増え続けているからだ。野良猫の増加原因は主に住人たちが野良猫に去勢・避妊手術をせず、そのまま餌を与え続けること。その結果として、野良猫は子猫を産み、野良猫の数は増えるばかり。

野良猫に餌を与える優しさは微笑ましいが、野良猫が多すぎると街の環境が悪化する恐れがある。まず、野良猫の糞や尿などの排泄物で街が汚れ、細菌や寄生虫などの巣になるかもしれない。また、野良猫が鳥を捕食し、生態系にまで影響が及ぶ可能性もある。それに、春は発情によって野良猫の鳴き声が人々の生活を邪魔しがちだ。

可愛い外見を持っている野良猫たちも、数が多すぎると悪い影響につながる。この問題を解決する為に、まず野良猫の愛護センターとその資金を増やすこと。それによって、保護される野良猫が増えて、保護期間も長くなる。施設で保護されれば、野良猫たちもより良い生活を送れるし、街も清潔を保てる。また、動物愛護施設の宣伝を拡大し、もっと広い範囲で里親を募集すれば、野良猫が引き取られる可能性も高まるだろう。宣伝の拡大によって、野良猫に関しての知識も人々に知らせれば、猫に餌を与え続ける人も少なくなるだろう。そうやって少しずつ野良猫の悪影響や劣悪な生活環境を改善していけば、人にとっても猫にとってもより住みやすい街が作れるだろう。


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ウーナン
シンガポール国立大学、現在四年生です。理科や数学に興味があるから、コンピュータ工学専門です。ゲームやウェブサイトの開発を目標に求職中です。趣味は主にゲームと料理です。日本語でゲームを満喫しているとき、「日本語を学んで良かった」と思います。

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