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2022.04.01

シンガポールの大学生って、どんな一日を過ごしているの?読者の方の中にも興味を持たれる方は多いのではないでしょうか。今回はこのコロナ禍での学生生活について教えてくれました。


今回ガイドしてくれる生徒さん

 初めまして、タン・インピン・ケスター(Tan Ying Pin Kester)と申します。シンガポール国立大学(NUS)の英語学専門の四年生です。暇な時は、ダンスの練習をするようにしています。


NUSについて
 シンガポール国立大学(NUS) はシンガポールで最初の高等教育機関です。その前身は、1905年に設立された海峡植民地医科大学でした。大学のメインキャンパスはケントリッジ(Kent Ridge)にあります。他のキャンパスは、ブキティマ(Bukit Timah)の旧教育研究所の敷地内と、アウトラムパーク(Outram Park)にあります。

NUSケントリッジキャンパス

 今、大学には17学部あって、いろいろな専門があります。そして、研究センターもたくさんあって、ノーベル物理学賞を受賞したコンスタンチン・ノボセロフ教授もいます。2021年のQS世界大学ランキングによると、NUSは世界で11番目の大学です。
 
 2021年2月の時点で、NUSには30,023人の学部学生、9,748人の大学院生、392人のディプロマの学生、合計40,163人の学生、そして12,245人の教職員がいます*。 毎年約6,000のモジュールが提供されており、学生がさまざまなトピックについて学ぶための幅広いオプションがあります。
*Source: National University of Singapore Annual Report 2021より
 
 通常、大学は多くの人や活動で賑わいます。しかし、コロナウイルスの事情はまだ落ち着いていないので、多くのクラスがオンラインで行っていて、それが学生の大学生活の体験を変えてしまいました。今日は、2021年のコロナ禍で、シンガポール大学生はどのように一日を過ごしていたか紹介します。

NUS環境研究所 Image credits: NUS Environmental Research Institute


午前8時:朝ご飯
 時々、特に提出期限に近づくと、私はレポートを書き終えるために遅く寝るので、少し遅れて起きます。ただし、ほとんどの日は、その日の授業の有無にかかわらず午前8時前に起きて、一日の準備をするようにしています。
 今日は多くの人に愛されている標準的なシンガポールの朝食、「ヤクン・カヤトースト(Ya Kun Kaya Toast)のカヤトーストのセット」を食べました。セットには、カヤトースト(カヤはココナッツジャム)、半熟卵2個、コーヒーまたは紅茶があります。

 セットの各アイテムはそれだけでも楽しむことができますが、シンガポール人の中には、2つ、または全部を混ぜて食べることを楽しむ人もいます。トーストを卵に浸す人がいるのを見るのは珍しいことではありません。

ヤクンカヤトースト定食A
Image credits: Ya Kun Kaya Toast

 ヤクン・カヤトーストは、シンガポールで最も人気がある地元の朝食チェーンの1つで、私の個人的なお気に入りでもあります。普段はお店でセットを食べますが、家で安全に過ごすために、今日はテイクアウトをすることにしました。

寮で提供されている食事 Image credits: NUS Tembusu College

 NUSでは、新入生と2年生がキャンパスの寮に住むのが一般的です。 私の場合、最終学年で、お金を節約して卒業の準備に時間をかけるために、キャンパスに住まないことにしました。 ただし、NUSの寮や宿舎(寮の一種)に住む学生たちの場合、朝食は学生が支払う宿泊パッケージの一部に含まれていて、週6日提供されます。 ですから、寮の学生は授業に行く前にすぐに朝食をとれるのでとても便利です。


午前9時:運動と予習

USCのジム

 朝食後は、私は学校に行って運動をし、午後に行われる授業の準備をします。 NUSには多くの学生が利用できるようにいくつかのジムがありますが、私は個人的に2つのジム、特にUTownのジムとUniversity Sports Centre (USC) のジムを頻繁に利用しています。 今日は、USCジムが混んでいないので、セーフディスタンスを守って鍛えたいと思います。

USCにあるテーブルと私

 ジムで運動してリフレッシュした後は、USCで勉強しました。 午後遅くに授業があるので、いつも昼食の時間になるまで、必要な資料を読んで前週の内容を復習して、今日の授業の準備をしています。



午後1時:昼ご飯

 朝よく頑張って勉強すると、お腹がすきますよね!NUSのキャンパスには様々な食事のオプションがあります。各学部には独自の食堂があって、学生は多くの美味しい料理の中から好きなものを選べます。「テクノエッジ」は、その中でも最新の食堂で様々な選択肢があります。

テクノエッジ食堂
Image credits: National University of Singapore

 テクノエッジにはS$5未満の手頃な価格のメニューもありますが、エアコンが完備されている「ビストロボックス」と呼ばれるエリアもあって、3層ハンバーガー(S$12)などのオプションもあります。 ビストロボックスには「プレミアム・チャーハン」(S$8/9)とインドネシア風フライドチキン「アヤムペニエ」(S$6/7)もあります。

ビストロボックスの食べ物
Image credits: Daniel Tamago


午後2時:講義と復習
 場所を見つけます。NUSではたくさん図書館がありますが、いつも混んでいて、なかなか席が見つかりません。質問をしたり、授業で集中したりするのは非常に難しいので、オンライン授業はとてもチャレンジングです。でも、同級生たちが毎日頑張っているし、先生たちもできるだけ楽しい授業を行っているのが伝わってきます。 授業が終わったら、友達と夕食を共にする前に、クラスでとったメモをまとめなければなりません。

ある校舎の座席

夜7時半:晩ご飯
 今日は友達とIKEAで夕食をとる予定です。最近はコロナで友達と一緒に食事をすることが難しくなりました。ですから、友達に会う機会があるたびにとてもありがたく思っています。

IKEAのレストラン

 このコロナのパンデミックでは、学生は家族と一緒に家で食事をしたり、IKEAアレクサンドラへ行ったり、学生の間で「サパーストレッチ」として知られているNUSのすぐ近くある、多くの店が並んだ場所を訪れます。

サパーストレッチ
Image credits: Daniel Tamago


夜10時半:(他のモジュールの) 勉強
 友達と美味しい食事をした後は、学校に戻って勉強を続けます。また、家に帰る前にグループプロジェクトのミーティングに出席しなければなりませんから。 NUSには多くの部活があって、コロナ以前は多くの部活動が行われていました。 しかし、コロナで、多くの人々の生活がオンライン中心の動かない生活に変わってしまいました。これは本当に残念なことです。 そのため、ほとんどの学生は、夕食後に家でリラックスするか勉強を続けるかの生活パターンのようです。 ただし、直接会うことができなくても、様々なクラブ(日本のサークルと似ています)の友達とオンラインで会って、ゲーム(scibbl.ioやコードネームやkrunker.ioなど)を一緒に楽しんでいます。


まとめ
 コロナで学生の生活は変わりましたが、感謝すべきこともまだたくさんあります。日本語のクラスのようなクラスはオンラインで行われるようになってしまいましたが、日本人の学生さんたちと興味深いプロジェクト(問題解決学習)に取り組むチャンスもありました。その時の私の経験をこのように『J+PLUS』の読者の皆さんと共有する機会まで持てたことにとても感謝しています。