シンガポールに在住の皆様に、ぜひ知っておいていただきたい医療や健康に関するさまざまなトピックを、ラッフルズ・ジャパニーズクリニックの日本人医師が、図表やグラフなどを交えてわかりやすく解説します。

腱板断裂の手術

　肩関節において筋肉が骨にくっつくところは、「腱板」と呼ばれます(図1)。この部分の損傷では上腕骨の安定性が損なわれ、肩をあげることが出来なくなったり痛みが出ます。

(図1)腱板:社団法人 日本整形外科学会

　断裂が狭い範囲であれば関節鏡で腱板を縫合しますが、広範囲であれば関節鏡では修復が難しく、以前は治療法がありませんでした。しかし1987年に「リバース型人工肩関節」(図2)という画期的な手術がフランスで開発され、2005年にアジア初となる手術がシンガポール国立大学附属病院で行われ、その後ラッフルズホスピタルにも導入されました。

　リバース型は従来の人工関節とは違い、ボール状のものを肩甲骨側に、受け皿を上腕骨側に設置する構造になっています。従来のものと反転させることにより、腱板を使用しなくても肩があげられる構造になっており、痛みや可動域がより改善出来るようになりました。

(図2)従来のものとリバース型の違いリバース人工関節置換:人工関節ドットコムwww.jinko-kansetsu.com

今回の担当ドクター

総合診療・整形外科
長谷川 典子 医師Dr.Noriko Hasegawa
京都大学教育学部卒業
日本医科大学医学部卒業
2010年10月より現職

日本救急医学会救急科専門医
日本旅行医学会認定医
日本整形外科学会会員
日本肩関節学会会員

情報提供: ラッフルズ・ジャパニーズクリニック

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