2022.01.28
Youth Report by NUS
シンガポール国立大学(NUS)語学教育研究センター(CLS)LAJ4203 Newspaper Readingの日本語履修生が日本語で様々なトピックを綴ります。
コロナ禍の教育
いい成績を取るためには、何が必要だと思いますか。高い知能指数(IQ)?いい先生?それとも、お金?コロナ禍で、子どもの教育にも大きな影響がありました。授業が対面からインターネットで行われることになったり、友達と一緒に勉強する機会も大幅に減少したりしたことで、おそらく困っている学生が少なくないでしょう。皆困っていましたが、低所得の家庭の学生が最も大変になったと思います。なぜかというと、家で勉強できるようにするためには、スピードの高いインターネット、多機能のパソコン、静かな部屋など、色々なものが必要です。しかも、教育というのは、学校の教育だけではなく、親に教えてもらうことも含まれていますが、コロナウイルスの経済的な影響を背景に、子どもに勉強を教える時間が不足している親が増加しつつあるそうです。困った親は託児所などに頼るしかありません。
2021年1月30日付のストレーツタイムズの記事(Covid-19 drives demand for night-time childcare in Singapore)によると、コロナ禍の経済的な影響で、失われた収入を補うために仕事を二つ以上することになって、就労時間が不定期になった親が増加してきたということです。親が家にいない時間が増えたため、夜間託児所の需要も上昇したそうです。そんな状況の中で困っている人を手伝うために、モーニングスターコミュニティーサービスが四つ目の低所得向けの夜間託児所を2021年2月1日に作りました。この夜間託児所は平日の午後6時から10時まで、6歳から14歳までの子どもに託児サービスを提供しています。しかも、家庭の収入が4,500ドル以下なら、無料で提供されるということです。本当に役に立つプログラムでしょう。モーニングスターコミュニティーサービスの夜間託児所を利用している主婦たちによると、プログラムのおかげで改善したのは子どもの教育だけではなく、親にとってもよかったそうです。ストレスも下がったし、自分の勉強の時間も増えたのは、家庭にとってもいいということです。
貧しい学生でももちろんいい成績が取れますが、お金持ちの学生と比べると、取りにくいに違いありません。せっかく教育を通じて、貧困から逃げられると信じているシンガポールの社会なのですから、貧しい学生を手伝うべきです。モーニングスターコミュニティーサービスの夜間託児所プログラムは、コロナ禍の教育環境改善に向けての素敵な一歩ですが、支援できる学生は限られると思うので、この深刻な問題が解決できるように、政策的な改善が必要だと思います。例えば、学生と教師の比率を改善するために、教師の給与などを上げることです。また、放課後、コミュニティーセンターに学生を集めて、色々な教育的な活動に学生が無料で参加できるようにしたらいいのではないでしょうか。
幸い、私は低所得の家庭の子どもではありませんが、私の親も二人とも夜まで仕事していたことがあるので、誰もいない家に帰る気持ちがわかります。そうは言っても、弟もいるし、近所のおばさんとおじさんも親切だったし、たくさん教えてもらえました。そんな暖かい人と人の絆がなかったら、放課後何をしたらいいかわからなかったはずです。今の私になるまで成長できなかったかもしれません。
子どもの教育に学校は大切だということは事実ですが、親、親戚、友達、近所の人なども子どもの成長に大きく貢献しているはずです。そして、コロナウイルスが影響を与えたのは学校の勉強だけではありません。子どもが勉強できる生活上の環境も含まれています。特に、リソースが少ない低所得の家庭は経済や精神的健康面など、多方面で困っていると思います。今の子どもは将来のリーダーですから、素敵な未来の社会を作るために、今こそ子どもの教育に投資すべきです。
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ン・ジーユェン
人文社会科学部心理学4年生です。私の夢は心理学の知識を通して、人々の悩みを解決することです。そのため、色々な言語を習って、様々な人とのつながりを大切にして、人々を助けられるようになりたいと思います。一人なので、力は足りないかもしれませんが、この夢を目指そうと思います。具体的にどんな仕事をしたいか分かりませんが、頑張ったら世界に影響を与えるということを信じています。ですから、社会の役に立てるように、学び続けるつもりです。
(気になっているニュース)
子ども1人に5万円、低所得の子育て世帯へ現金給付など決定
今までの一人世帯にあげる現金給付に加え、両親世帯とNPO にもお金の支援をすることに決定しました。政府の支援はいいですが、短期の政策なので、コロナの後で低所得者を手伝う長期的な政策について考え始めたらいいと思います。