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2021.06.30

アルビレックス新潟シンガポール(以下、アルビ S)では今シーズンからテクニカルダイレクターというポジションが新設され、吉永一明氏が就任しました。2017、2018 シーズンには同チームの監督として S リーグ優勝へと導いた吉永氏に、テクニカルダイレクターとは何か、そしてどのようにクラブと関わっていくのかお話を伺いました。



吉永一明 KAZUAKI YOSHINAGA
出身地:福岡県北九州市
経歴:1990 年 福岡大学卒業
《指導歴》
アルビレックス新潟 ( 日本 ) の監督をはじめ、アビスパ福岡、清水エスパルス、サガン鳥栖、ヴァンフォーレ甲府などの J リーグチームで指導。アルビレックス新潟シンガポールの監督として指揮をとった 2017、2018 シーズンでは、2 年連続全冠達成を成し遂げる。中高生など育成年代の指導経験も長く、山梨学院大学附属高校では全国高校サッカー選手権優勝を果たし、これまでに多くの J リーガーを輩出している。
資格:第一種体育教員免許(中学 ・ 高校)、日本サッカー協会公認 S 級ライセンス
趣味:スポーツ観戦

 

2018 年ぶりのシンガポールはいかがでしょうか?
 懐かしい気持ちが強いですね。大きな変化もなく、落ち着いて生活することができています。
 コロナウイルス対策は日本より厳しいと感じますが、それだけ守られているということでもあります。大変ではありますが、辛抱できる部分だと思います。

監督としてアルビSに在籍された際には2年連続の全冠、2018 シーズンには前人未到のシーズン無敗を達成しました。当時を振り返っていただけますか?
 みんなが頑張って、本当にすごいことを成し遂げてくれたと思います。そこからサッカーを続けてより高いレベルでプレーしている選手もいますし、サッカーを離れて新しい道で活躍している選手もいます。この2年間では私も含めて成長することができたとても良い時間だったと思います。

シーズンごとにメンバーが大きく入れ替わるアルビSですが、当時と比較して現在のチームはどのように感じますか?
 新型コロナウイルスの影響で試合数や参戦チーム数が減るなど難しい状況が続いていますが、その中で一生懸命努力してくれていると思います。
 その一方で、それぞれが自分の未来を切り拓いていくためには、もっと時間を大切にして過ごしてほしいとも思います。

さて、テクニカルダイレクターとは、どのような位置付けなのでしょうか?
 まだあまり一般的ではないですが、日本では強化部長などのポジションに近いものかもしれません。基本的にはチーム(選手)に直接関わるというよりもTeam behind the team としてチームを支える役割が非常に大切なポジションだと考えています。

主にどのような役割をされるのでしょうか?
 まずトップチームからアカデミーまで、クラブとしてのフットボールの方針を中長期で決めて具現化していく中心となることです。その方針に基づいた中でシーズンを通して指導者(トップチーム監督を含む)の育成と評価などを行い、プレシーズン、ポストシーズンに行われるトップチームからアカデミーまで選手、 スタッフなどの契約、 移籍などのチーム編成作業に関っていく仕事が挙げられると思います。
 特にシーズン中はTeam behind the team としてトップからアカデミーまでのスタッフ、選手のサポートが重要な役割だと考えています。

「Team behind the team」をキーワードとして挙げられていますね。
 チームを取り囲むスタッフにはメディカルやエキップ、広報などたくさんの裏方がいます。それぞれの役割を「チームのため、選手のために」取り組んでいくことがチームを支えることにつながっていくと思いますし、それが重要だと思っています。

就任後、クラブ全体を見ていくにあたって感じることはありますか?またどのようなところに手をかけていくのか、具体的なお考えがあれば教えてください。
 フットボールの部分において、ただ勝った負けただけでなく、さらにシンガポールの中で存在感あるクラブになっていく必要があるかなと感じています。そのために、まずこのクラブのフィロソフィに基づいたゲームモデル、簡単に言うとフットボールのスタイルの確立を行っていきたいと思います。
 その上でゲームモデルをピッチ上で具現化するために必要なトレーニングをサッカースクールからトップチームまで年齢の応じて必要な要素を考えながら構築していく作業をスタッフの皆さんとやっているところです。またスタッフ、選手個々の成長を促すための個別プランの導入も行なっています。

今までの経験から、今の役割に役立っていることはありますか?
 様々な環境、カテゴリーでの指導をさせていただいたことは、スタッフや選手達の抱える問題を解決していく上で大きな経験として役立っています。

今後の目標、未来予想図は?
 チームとしては当然リーグ優勝、狙えるタイトルはすべて獲りにいきたい。またベスト11や得点王、MVPなどにも選ばれてほしいですね。中長期的に見ればこのクラブがより魅力的なクラブ、多くの人から選ばれるクラブ、愛されるクラブになって欲しいと思っています。個人的には…ここでは秘密にしておきます笑

アルビSで戦う選手達に一番伝えたいことはなんですか?
 自分の未来は自分にしか変えることができないので、明確な目標を持ち自分を信じて正しい努力を続けていってほしいと思います。

読者の皆さんに一言お願いします。
 今シーズンもなかなかスタジアム観戦が難しい状況ですが、観戦可能な状況になりましたら是非スタジアムで選手達の後押しをしていただければと思います。また夢を持って頑張っているサッカースクールの子ども達やU-15、U-17の選手達の活動も知っていただければと思います。

*「J+Plus」は、Albirex Niigata FC(S) のオフィシャルメディアパートナーです。