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2021.11.01

Youth Report by NUS

シンガポール国立大学(NUS)語学教育研究センター(CLS)LAJ4203 Newspaper Readingの日本語履修生が日本語で様々なトピックを綴ります。


「化石燃料依存症」を治そう

 
私たちはSDGsを支援しています

 1952年、霧のロンドン。「息が苦しい。」
 先が見えないほどの黄褐色の地獄のような世界で、喉を絞めつけられるくらい濃い霧を吸い込んだ男が街に立っていた。工場の煙突と車から排出された煙は復讐するかのように男の肺に入り、皮肉を言った。「地球もこんなに苦しんでいるって知ってる?」それを聞いた男は、地面に倒れる直前、最後の言葉を言った。「地球よ、悪かった。ごめんね。」

 霧のロンドンと言えば石炭。でも、空気を汚染したり二酸化炭素を排出したりするのは石炭だけではない。シンガポールの場合、現在95%の電気生産源は天然ガスである。これらを「化石燃料」という。

 1760年のイギリスの産業革命以来、人類はどうやら「化石燃料依存症」という病気にかかってしまったようである。暖かくなる一方の大気と、上昇する海面を見て見ぬふりをする政府、企業、そして、あなた― そう、あなたです。― は経済の成長、お金と贅沢な生活を追求するため、化石燃料の使用とそれに関連する活動を続けている。電気の生産、車の運転、ビットコインの交易などは全部、多くの二酸化炭素を排出しているため、地球温暖化を加速させている。― あなたはこれらの慣れきった豊かな生活をやめられますか。いえ、それは無理でしょう。― そもそも、悪いのは、これらの活動ではなく、大量の二酸化炭素を排出するエネルギー源としての化石燃料だ。
 
 2020年は、絶望の年だった。コロナ禍、地球の気温は最高記録をまた更新した。こんな時だからこそ、希望を持たなくてはいけない。コロナとの戦いの中、世界中の国々は声を上げた。「Build back better (より良い復興を)!」国連の持続可能な開発目標の一つには「気候変動に具体的な対策を」が掲げられている。そのため、多くの国は脱炭素社会を実現するための対策に取り組んでいる。
 シンガポールは「Green Finance Hub」として、資金を投入し、企業の脱炭素戦略とプロジェクトへの取り組みを推進しようとしている。2021年6月2日に、DBSは初めてSK テレコム、ケッペル・ランドに持続可能な目標に関連するローンを提供した。

 幸い、持続可能な開発目標を達成する期限の2030年までにはまだ間がある。今のうちに、石油ではなく、清潔なエネルギー源を使うようにしよう。例えば太陽光パネルから生産された電気を使用しよう。そして、電気自動車を運転しよう。そうすれば、少しずつ「石油依存症」が治せるだろう。

 黄褐色の空気ではなく、透明で新鮮な空気を一緒に吸い込もうではありませんか。

 


レイ・ゼミン 

 レイ・ゼミンと申します。現在、シンガポール国立大学の二年生で、専攻は応用数学です。数学専攻と言うと、人との接触が嫌いなイメージがあるかと思いますが、実際はよく社交的だと言われて、ビジネス専攻の学生だと間違われます。そうは言っても、やはり一人でいた方が楽だと思います。小説を読んだり音楽を聴いたりして、社交エネルギーを充電しています。日本語を勉強しはじめた理由はというと、やはりアニメです。でも、今、日本語を勉強し続けているのは将来、仕事で日本語を生かしたいからです。夢を叶えるために、日本語の勉強を続けています。どうぞよろしくお願いします。

 

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