2021.08.30
先月の記事でシンガポールでプラントベースフード市場が盛り上がっていると書かせて頂きましたが。Enterprise Singaporeのレポートによると、シンガポールでのプラントベースフード食についての、消費者の興味は2019年比で2020年は2倍になっているとの数字が出ています。

Enterprise Singapore支援・Abillion製作
そんなに普段の生活に浸透しているものなのでしょうか。
地場のスーパーで「Plant Based Meat*」で検索するとNTUC6件が、Cold Storageでは1件、Sheng Siongではゼロでした。またRedmartでは9件でした。
もともとシンガポールは菜食主義者も多いので、プラントベースフードは市場に出ているのですが、昔からあるプラントベースフードは呼び方も「Vegetarian」の一括りとなっているせいか、Plant Based Meatでは検索にもひっかからないものもあります。「Vegetarian Meat」ですと該当する商品はそれぞれ21件、5件、多数**、100件でした。
東南アジア、日本では元々仏教の影響もあり、菜食文化や、精進文化があり「もどき的」食品はそれなりに種類も数もあるのです。昔からのベジタリアン食品製造会社は、昨今の新興のプラントベースフード製造会社製品に比べて、「プラントベースフード」として押してないので、機会喪失が多々あるのではないかと思います。

NTUCの検索例
2019年からブームとなっている「プラントベースフード」ですが、ブームの大きな要因は、欧米諸国からの「リ・ブランド」されたムーブメントだと感じています。
話がそれてしまいましたが、シンガポールのコミュニティーセンターの料理教室でも、プラントベースフードがテーマになったクラスが開催されたり、料理学校At Sunriceでも9月末にプラントベースフードマーケットイベントが企画されています。2021年8月27日~9月5日には今年で3回目となるSingapore Vegan Festivalも、60ブランドが参加し、各国からプラントベースフード専門家がスピーカーとして集まります。とても身近な例ですとバーガーキングでのプラントベースミートのワッパーの今年6月からの販売です。
バーガーキングのプラントベースワッパー (単品S$6.90)
まだプラントベースフードの常食という方は少数派ではあるかと思いますが、身近な食材に今後なっていくことと思います。
*プラントベースフードの一例として、種類が多いPlant Based Meatを例としています。
**検索の設定で、関係のない商品も検索結果に反映されていることからの数です。
ケルニン青木康子 さん
食のイベント会社Spoonful代表。シンガポールでメディア会社に7年勤務後、「食」を通して人と人、社会と社会をつなぐ食のイベントブランドSpoonfulを2014年に起業。ライフワークとして、シンガポール料理の調査、研究を手がける。
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