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2021.08.30

アジアトップレベルの学力を誇るシンガポール国立大学(NUS)に通う、日本語履修の学生がシンガポールを散策。今回は、ウォーキングコースを歩きながら建物や食べ物の歴史を学んでいきます!ジャスミンさんお願いします。


過去を味わう ヘリテージ・フード・ウォーキング・トレイル


今回ガイドしてくれる生徒さん
初めまして!NUSで心理学を勉強しているNUSの四年生のジャスミン・チュア(Chuah Jasmine)です。時間があったら旅行をして、異文化を感じることが大好きです。でも、近頃新型コロナウイルスで旅行にいけないので、シンガポールで出会うもので過去への旅を体験できるかなぁ…?


今日は、読者さんの皆さんを行きやすいウォーキング・トレイルへ連れて行くね!三つの穴場のスポットでシンガポールのヘリテージ・フードを探して味わおう!美味しいものを食べながら、昔のシンガポールを擬似体験してはどう?じゃ、過去へ「いざ出発!」
総距離:1キロメートル、合計時間:徒歩15分
 



Keong Saik Road (キョン・サック・ロード)
まず、スタート地点のKeong Saik Roadから。過去と現在が一緒に見られる場所なの。1920年代に建てられたショップハウスがたくさん並んでいて、ほとんどそのままレストランとパブになっているの。この道を通ると時間を遡っている気分になるけど、モダンな店を見ると現在にいることがわかるわ。
 



Tong Ah Eating House(トン・ア・イーティング・ハウス)
《35 Keong Saik Road, (S)089142》

最初に目を引くのは戦前に造られたこの三階建てショップハウス「Tong Ah Eating House」。1939年からずっとこの場所で営まれているの。今でも玄関の上にかけてある「Tong Ah」の漢字の看板が見えるでしょう?80年後の今も、昔の古い世代には一番アイコニックなkopitiam(コーヒー・ショップ)ではまだ美味しい料理を出しているの。朝食セットもあって、午後になったら「zi char」(注文を聞いてから料理を作ってくれる中華レストラン)になるよ。ここにはどんな発見があるんだろう…?


「Traditional Kaya Toast」S$2
シンガポールの朝ごはんなら、もちろんカヤトーストとコーヒーのコンビ!国中の多くの人が知らなくても、一番いいカヤトーストの一つと言われているの。カヤトーストはどこでもあるけれど、ここのは他の店のと違って、パンが炭火で焼いてあって分厚いのよ。サクッとしたトーストはカヤとバターたっぷりで美味しい~!昔と同じようにショップハウスで伝統的な朝ごはんを食べれば、80年前の懐かしさを追体験できるかも。
 



Keong Saik Bakery(キョン・サック・ベーカリー)
《33 Keong Saik Road, (S)089140》
次は、お隣の「Keong Saik Bakery」へ!
ここは最近開かれた店だけど、懐かしい味と、今流行っているデザートを一緒にするっていうコンセプトがある店なの。イモから作られる「Orh Nee」ケーキとパンダンの味の焦げたチーズケーキがオススメ!


「Pandan Burnt Cheesecake」—–S$8                     「Orh Nee」—–S$7

一番不思議な食べ物が来た!これ、このベーカリーの創設者によって創作された「Sor Hei」って言う
看板メニュー。パンの形、何に似ていると思う?
 「Sor Hei」は昔にKeong Saik Roadに住んでいた「ma jie」と言う中国人の女の人たちに敬意を表したパンなの。「ma jie」は結婚しない誓いを立てて、お寺で誓いを立てる式に出席したとき、髪をお団子で結んだのね。それで、「Sor Hei」はお団子ヘアの形のように作られているの。広東語で「髪をとかす」って言う意味よ。パンの中にはチョコレートが入ってますよ。美味しいパンを食べながらシンガポールの歴史も習えて、おもしろいでしょう?


「Sor Hei」—–S$4.50
 



Maxwell Food Centre(マックスウェル・フード・センター)
トレイルの通りに歩くと、すぐ「Maxwell Food Centre」に到着!このホーカー・センターは1928年に建てられて、他の場所ではなかなか見られない伝統的な料理で土地の人に人気があるわ。今日はそんな人気料理を見つけに行くぞ!
 



China Street Rickshaw Noodles (チャイナ・ストリート・リックショー・ヌードル)
《1 Kadayanallur Street, #01-87, (S)069184》
まずは、ここに行ってみよう。このホーカーの店は、もう80年ぐらい営まれていて、シンガポールにまだ残っている「Rickshaw Noodles」を販売している唯一の場所なの。昔の人力車の引き手が頼りにしていた食べ物なので、「Rickshaw Noodles」と言う名前になったそう。人力車は大変な仕事だから、栄養をつけて速く仕事に戻るために、栄養分が豊富な食べやすいこの料理が考案されたの。


「Rickshaw Noodles (la che mian)」S$1/Sサイズ
普通の麺と同じようだけど、温かくてさっぱりしたスープはシンガポールの家庭料理のような味がするから、「あぁ…」って、疲れを癒してくれる料理。シンプルな麺とスープを食べながら、料理の豊かな歴史について考えちゃうわ。
 



China Street Fritters (チャイナ・ストリート・フリッター)
China Street Fritters
1 Kadayanallur St #01-64, (S)069184

とっても気になっていた「China Street Fritters」の店!ここの名物は1930年代から受け継がれてきたレシピの通りに作られる手巻き「ngoh hiang」。ngoh hiangは肉、野菜、五香粉を混ぜて、ゆばで包んで揚げた料理。今、本場のngoh hiangは「Maxwell Food Centre」でしか見つけられないの。


China Street Fritters – Set C」S$5.20
自分で食べたいものを選んで盛り合わせにしてもらって、bee hoonと一緒に食べてみて。特に、シンガポール人の間で「Four Heavenly Kings」と呼ばれているのはngoh hiang、egg slice、liver roll、guan changの絶妙な組み合わせ。お好みで甘くて辛い手作りのチリソースと一緒にどうぞ。う〜ん、とってもサクッとして香ばしいngoh hiangだ。「90年前の人も、こんな風に食事していたのかなあ…?」本場のngoh hiangを味わいながら、そんなことを想像する。
 


 
Ann Siang Hill(アン・シャン・ヒル)
「Maxwell Food Centre」を出て左へ曲がると、すぐ「Ann Siang Hill」の入り口が見えた!今日のウォーキング・トレイルはこの歴史的な道で終わりにしよう。通りにあった説明の看板から、「Ann Siang Hill」は昔にイギリス人の入植の時、ナツメグとクローブの農園で、後で中華系民族のビジネス地区になったことを知ったわ。交通の喧騒から離れ、建築は古風なタイルで飾られていて、数少ない人々がコーヒーを飲む音以外、道は穏やかで、別世界のような気分。

 



Tong Heng Traditional Cantonese Pastries (トン・ヘン・伝統的な広東ペストリー
Tong Heng Traditional Cantonese Pastries
285 South Bridge Rd, (S)058833
午後の太陽の下をゆっくり歩くと、「Ann Siang Hill」の麓で「Tong Heng」の店をすぐ発見!もう100年も営業している老舗ローカル広東ペストリーのブランドだ。1920年代に露店として開業以来、オリジナル広東料理のレシピを保って、何世代にも美味しいペストリーを販売して続けているの。

 
Egg Tart」S$2/pc「Wife Pastry」 S$2/pc    「Lotus Pastry」 S$2/pc

初めて食べてみた!う〜ん、「Tong Heng」のトレードマークは、ひし形の「Egg Tart」だけど、「Wife Pastry」と「Lotus Pastry」もオススメ。何を注文しても、ポイントはサクサクな食感。滑らかなフィリングは程よい甘さですぐ食べちゃった。「もっと買っておくべきだったな…」
美味しいペストリーを楽しみながら、昔のシンガポールの味に触れてみて!
 

まとめ
よく知られている地区の喧騒から離れ、にぎやかなチャイナタウンの周辺で、美味しく食べながら昔のシンガポールを体験できるトレイル。紹介した三つのスポットで、シンガポールの歴史を感じながら、穏やかで疲れを癒す時間を過ごさない?