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2021.10.22

アジアトップレベルの学力を誇るシンガポール国立大学(NUS)に通う、日本語履修の学生がシンガポールを散策。今回は、イジェダさんがジュエル・チャンギ空港を案内してくれます。


ジュエル・チャンギ空港


今回ガイドしてくれる生徒さん
J+PLUSを読んでいる皆さん、初めまして。イジェダ・ヤウ(Ijada Yau)です。今年シンガポール国立大学の不動産学科を卒業しました。暇な時に美味しい食べ物を食べたり、買い物をしたりすることが好きです。特に、綺麗な所に行くのが大好きです。今日、皆さんに紹介したいのはシンガポールで一番好きな場所の一つ、「ジュエル・チャンギ空港」です。

 


ジュエル・チャンギ空港は、2019年にできた、8年連続で世界一の空港に選ばれたチャンギ空港の新施設です。ジュエル・チャンギ空港は名前と違って空港ではなくて、輸送拠点です。ジュエルは、第1ターミナルの到着ロビーに直接行けるようになっていて、歩道橋で第2、第3ターミナルにもつながっています。そして、公共交通網にも直結しています。その上、自然をテーマにしたエンターテイメント・アトラクションと小売施設もあります。特に、ジュエルの建築は専門家に高く評価されています。ジュエルは自然と建築をシームレスに融合させたデザインで、シンガポールの特徴の一つである「ガーデンシティ」を表現しています。

ジュエルの建物の中の中央にあるのは、5つのフロアにまたがる庭園「資生堂フォレストバレー(Shiseido Forest Valley)」です。フォレストバレーはシンガポールのもう一つの観光名所である「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ(Gardens by the Bay)」の「クラウドフォレスト(Cloud Forest)」を思い出させます。 庭園には200種以上の植物が植えられており、一般の人も入れるウォーキング・トレイルもあります。 9,000枚以上のガラスで作られた巨大なキャノピールーフから差し込む太陽の光で900本以上の木やヤシ、約600本の低木が育てられています。これらの植物はスペイン、タイ、中国などの様々な熱帯気候の国々から持ち込まれました。普通のインテリア植物と違って、森をイメージさせると思いませんか?

 


ジュエルの一番有名なアトラクション「HSBCレイン・ボーテックス(HSBC Rain Vortex)」はフォレストバレーの中央にある高さ40メートルの滝で、現在、世界で最も高い屋内の滝と言われています。ジュエルの5階から地下2階まで落ちます。流れ込む水は水道水ではなくて雨水です。シンガポールは熱帯の国なので、雨がよく降ります。雨が降る時、ジュエルの屋上では1分間に45,430リットルぐらいの水が集められます。その水を使って、壮大な滝が作られます。1分間に37,850リットル以上の水が流れています。大きな滝ですが、防音のアクリルシートに囲まれていますから、大きな音がしません。ここでは毎日午前10時から午後10時まで滝のライト&サウンドショーが行われていて、音楽に合わせて、滝と美しい光の演出が見られます。

建物の中から見ると、滝はジュエルの中央にあるように見えます。でも、多くの人たちが知らないのは、実は滝は本当の中央にはないことです。ジュエルが建てられる前に、チャンギ空港のスカイトレインの線路がすでにあったので、線路を避けるために、滝の位置を中央から移動したからです。

 


西側のトレイルでは、「センス(SENSE)」というアトラクションが体験できます。このアトラクションは、資生堂トラベル・リテールと、東京を拠点とする学際的なアート集団のチームラボが共同で制作したものです。資生堂の代表的な香り「SHISEIDO Ultimune」が使われています。夜になると、踊るようなライトが木々を照らして音楽が流れます。センスでは聴覚で安らぎを、視覚で静けさを、そして嗅覚で調和が体験できます。面白そうでしょう?

西側のトレイルにあるアトラクション「SENSE」の反対側では、岩場の滝を通ってフォレスト・バレーを登ることができます。各コースは約30分かかりますが、途中で休憩できる席や出口がいくつかありますから、降りられない心配はありませんよ。

散歩がしたかったら、フォレストバレーから5階にある「キャノピーパーク(Canopy Park)」まで登りましょう!キャノピーパークには全部で9つのアトラクションがあります。キャノピーパークのチケットを買えば、4つのアトラクションに入れます。それは「ペタル・ガーデン(Petal Garden)」、「ディスカバリー・スライド(Discovery Slides)」、「フォギー・ボールズ(Foggy Bowls)」、そして「トピアリー・ウォーク (Topiary Walk)」です。ディスカバリー・スライド以外、高齢者の方も大丈夫ですから家族全人で一緒に楽しめますよ。

 


「ペタル・ガーデン(Petal Garden)」では世界中から集められた花や自然の美しさがいつでも楽しめます。植物に囲まれた白いアーチは人気の撮影スポットです。夜になると、色々な色のライトで照らされるので、まるでおとぎ話のような幻想的な空間になります。

 


ディスカバリー・スライドはシンガポール初の大型インタラクティブ・スカルプチャーで、宝石をイメージして作られています。その中には遊び場が隠されています。ある意味で、このアトラクションはジュエル・チンギ空港によく似ていますね。

 


アトラクションの中で私が特におすすめしたいのは、フォレストバレーの空中に張られたネット「マニュライフ・ウォーキング・バウンシング・スカイ・ネット(Manulife Sky Nets – Walking and Bouncing)」です。ネットの一番高いところは地上8メートルのところにあります。そして、長さは250メートルもあります。ウォーキングネットでは歩くことしかできませんが、バウンシング・ネットでは自由に跳べます。一般的なトランポリンと違って、金属製のフレームがありませんから、子どもでも安全に遊べます。

 


植物や自然が苦手な人は、四階にある「チャンギ体験スタジオ (Changi Experience Studio) 」がおすすめです。このスタジオでは、チャンギ空港の歴史が習えます。それに様々なゲームを通して空港の機能が体験できます。そのゲームの一つ「アメージング・レース(Amazing Race)」は、自転車に乗ってレースをするゲームです。8台の自転車を半分に分け、飛行機や車を速く走らせるためにそれぞれのチームのプレーヤーが協力して自転車を走らせます。

 


スタジオの体験の終わりには、「チャンギ体験スタジオ:ガーデン・オブ・ハーモニー(Changi Experience Studio: Garden of Harmony)」で蝶々が飛び交うデジタルのジャングルの景色が見られます。壮大なオーケストラの音楽と光で美しい光景を作り出すためには皆が協力しなければなりません。これは、チャンギ空港で世界で高いレベルのサービスと体験を提供するために協力している五万人の空港コミュニティの努力を表しています。

ミニシアターでは、ジュエルの建設過程が見られます。ジュエルに来た記念に「チャンギ体験スタジオ:フォトプリント(Changi Experience Studio: Photo Print)」で写真を撮ってみましょう!チケットには無料の写真券が付いているので、グリーン・スクリーンを背景に写真を撮った後で好きな背景が選べます。スタジオを出た後、受付でプリントができます。

 


「バイオレット・オーン・シンガポール:アヤム・パンガン・カトン(Violet Oon Singapore: Ayam Panggang Katong)」(BBQ 1/2, S$16、または 1/4 鶏肉 S$25)

「バイオレット・オーン・シンガポール(Violet Oon Singapore)」はペラナカン料理で有名です。ペラナカン料理ではニョニャ、中国、インド、マレーの各料理からの無数の味が味わえます。ジュエルの他に、三つの店舗がありますが、ジュエルの店舗でしか食べられない料理がたくさんありますから、ぜひ行ってみてください。

 


「バーガー・アンド・ロブスター (Burger & Lobster)」はロンドンで始まったハンバーガーとロブスターの専門店です。イギリス以外では、世界中で五カ国にしか店を開いていません。シンガポールには二つの店舗があります。写真に映っているオリジナルロールは店の一押しメニューの一つです。もっと珍しい料理にチャレンジしたいなら、ジュエル限定の「サンバル・グレーズド・ロブスター」(S$65) も食べてみてください。

 


「バードズ・オブ・パラダイス(Birds of Paradise)」(シングルスクープ:S$4.70, ダブルスクープ:S$7.70、追加のタイム味のコーン: S$1)

「バード・オブ・パラダイス(Birds of Paradise)」は、シンガポールのブランドで、2019年のミシュランガイド・シンガポールにも掲載されました。東南アジアのルーツを表すために、バジルやブルー・ジンジャーなどのハーブやスパイスを使った ジェラートを作っています。美味しいジェラートを食べながら綺麗なライトショーを見たら、きっといい思い出になりますよ!

 

まとめ
豊富なアトラクション、美しい緑、そして素晴らしいショッピングの体験ができるジュエルは、誰でも楽しめて、多文化国家シンガポールのアイデンティティが体験できる場所です。皆さん、機会があったら、ぜひ行ってみてください。