• Singapore Youth Report
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2020.12.21

シンガポール国立大学(NUS)語学教育研究センター(CLS)日本語履修生が日本語で様々なトピックを綴ります。


地球人になる

 皆さんは日本代表として、ミス・ユニバースに出場した宮本エリアナさんのことをまだ覚えているだろうか。ハーフの彼女は日本人らしくないとネットで批判されたが、その記事を読んで、僕はある問題を思いついた。日本人らしさとは何だろうか。率直にいうと、どうすれば日本人として受け入れられるだろうか。
 ここの「日本人」とは国籍のことではなく、民族的な意味だ。日本文化を知る外国人なら、日本人の民族名が答えられると思う。それは、大和民族だ。それは間違いというわけではないが、答えの一つでしかない。日本は単一民族の国として世界で知られていて、たぶん日本人の一部もそう思っているだろう。しかし、驚くことに、そうではない。
 今日本の漫画やドラマなどは主に東京や大阪をもとに書かれていて、他の地方に関する物語はほとんどない。日本人がいくつかの民族で作られていることを知らないわけだ。
 北海道のアイヌ民族、沖縄の琉球民族など、それぞれ違う文化や言語を持っているが、一つの国になった今、気づいていないうちに違う民族の婚姻が普通になってきた。分かり合い、民族という壁を破り、そして一緒に新しい生活を送る。それはすばらしいことだが、この世代に生まれた若者が自分のルーツを忘れてしまう傾向も表している。
 それがいいかどうか、簡単な答えはないのではないだろうか。大昔の人類はアフリカで生まれたという説があり、彼らは海を越え、新しい大陸に住み始めた。それぞれ自分の宗教や、文化、言語なども少しずつ発展させ、新しい民族が生まれた。今はまさにその逆だ。
 グローバル化によって、民族だけではなくて、国と国との交流も簡単にできる。その結果、クリスマなどの文化の輸入、外来語、生物学的に民族という区別はどんどん曖昧になっていく。そして、遠い未来ではたぶん地球人という一つの民族しか残らないかもしれない。それはいいことなのか、その答えは未来の人に任そう。


リー・チーホン
皆さん、初めまして。リー・チーホンと申します。数学を勉強しております。日本語を習い始めて、もう6年になりました。習えば習うほど、難しくなりますが、同じぐらいクラスも面白くなっています。これからもずっと勉強しようと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。