• シンガポールで食べること
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2020.11.04

シンガポールにはバクテー、チャーシュー、バクチョーミー等、豚肉を美味しく味わえる料理が沢山ありますね。今回は「豚肉」のお話しです。シンガポールの豚肉事情とはいかなるものでしょうか?

ウェットマーケットの豚ひき肉(中央)。お肉を選択でき、その場で挽いてもらえるのが◎

恒例のクイズです!
【クイズ:シンガポールの豚肉の国産自給率とは?】

1) 0%  2) 5%  3) 10%

回答は「1」です。 シンガポール国内では豚肉の生産は行われていません。

シンガポールの食品自給率は10%未満ですが、その中でも豚肉は0%。1960年 代にはシンガポール国内の豚肉の自給率は104%だったのですが、1980年代前後の工業化の中、畜産業は下火になりました。また、同時期にシンガポール政府は土地の有効活用の観点から養豚業の完全撤廃を決定しました。この為、国内の豚肉消費はすべて輸入頼りです。

豚肉はブラジルを筆頭に世界32カ国から輸入され、殆どは冷凍品ですが、例外もあります。インドネシアのBulan IslandとマレーシアのSarawakからの輸入豚は、生きた状態でシンガポールまで船で輸送されてシンガポール国内で屠殺され、食肉加工されます。

シンガポールでは日本産の豚肉も頂くことができます。2018年以前はシンガポール政府の現地調査に通過した施設からのみシンガポールに輸入が可能でしたが、2019年以降は書類審査と日本の厚生労働省が認可した施設からの輸出が可能になりました。規制緩和を受けて、輸出額は 2019年には前年比が77%まで高まったほどです(2019年4月~9月の数値)。

【豚肉はどこで買う?】
私が一番活用しているはウェットマーケットですが、以下何店かご紹介します。

【豚肉ショッピングリスト】
Awas Market
記事内でご紹介したインドネシアBulan Islandから輸入された豚の、フレッシュ な豚肉が注文可能。
www.awsmarket.com.sg

Anzu Meat Factoryの豚肉の薄切り薄切りが購入できるのが嬉しい


Anzu Meat Factory
駐在員の間でも人気がある、とんかつレストランの「Ginza Anzu」と同経営傘下の豚肉工場から直接購入できます。値段も手ごろで種類が豊富。
anzu-meat-factory-sg.com

Huber’sの店内のサラミコーナー加工肉製品の種類も多く、買い物が楽しめる


Huberʼs Butchery
親子2代で「肉」のプロを自称する、スイス系ファミ リーの人気精肉・加工肉店。デンプシーの店舗は常に込み合っている。
www.hubers.com.sg

ADiRECT
F&B業界向けの卸が本業ですが、個人向けにもお肉を販売しています。日本産の豚肉が購入できます。
meatlovers.com.sg

皆さんはどこで豚肉を買われていますか? お勧めの場所があれば是非教えて下さい!
ご意見・ご感想:info@alchemist.sg
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ケルニン青木康子 さん

食のイベント会社Spoonful代表。シンガポールでメディアに7年勤務後、「食」を通して人と人、社会と社会をつなぐ食イベントブランドSpoonfulを2014年に企業。ライフワークとして、シンガポール料理の調査、研究を手がける。