2019.10.17
前回の記事ではシンガポールの食の廃棄問題について、政府が公表している数字をエビデンスとし、ご紹介しました。では、実際に日々の生活の中で「食の廃棄問題」を個々の問題として向き合えるのでしょうか。すでにプラットフォームを有している企業や団体を支援するのも一つの手です!今回は力まずに使用できるアプリや商品、イベント活動を紹介します。
【美味しく食の廃棄問題を防ぐアプリ】
National University of Singapore出身の若者デュオが2018年に立ち上げたアプリです。特筆すべき点は12 のホテルと提携していて、ホテルのビュッフェダイニングの終了1時間前に、S$10のボックスが販売開始となります。利用者は予約・支払い後、ホテルのビュッフェラインで箱に好きなだけ料理を詰めることができます。ホテル以外にもレストラン、カフェのタイムセールや、賞味期限が近い食品を安価に購入できます。
https://www.treatsure.co/index.html
アメリカで開発されたレストランの検索アプリです。検索したレストランにチェックインすると、自動的に寄付がレストランから地域の食の廃棄問題に取り組むNPOに寄付されるというシステム。2019年4月にシンガポールで公開され、自動販売機で食事を販売するKalm’sを始め、食品業界、レストランとのコラボの幅が少しづつ広がってきています。
http://singapore.tangotab.com/
【加工して美味しく提供】
大学のリサーチで食品廃棄を社会の危機的状況だと切に感じたSingapore University of Technology and Designの出身デュオが立ち上げた食品加工業者。シンガポールの市場で売れ残ったアグリー(見てくれの悪い)な果物や野菜を買い取り、ジュースやアイスクリーム等に再加工して販売します。不定期でワークショップも開催。設立者に話した際に「多くの人が自分たちのしてくれていることに興味を持ってはくれるものの、まだ一人一人のアクションは不足している。」と語ってくれました・・・・。
【イベントに参加しながら寄付ができる】
食のイベントブランドSpoonful の主催イベントに参加すると、支払いの際にS$1の寄付を選択可否でき、寄付はシンガポールで食の廃棄問題に取り組むNPO、Food Bankに寄付されます。イベントに参加する際のS$1寄付なら誰でも貢献しやすい!
なかなか食の廃棄を減少と言ってもどうしていいかわからない人も多いですが、上記のようなサービスを利用することで、自然と社会問題に取り組めるのは良いですよね。
ケルニン青木康子 さん
食のイベント会社Spoonful代表。シンガポールでメディアに7年勤務後、「食」を通して人と人、社会と社会をつなぐ食イベント会社Spoonfulを2014年に企業。ライフワークとして、シンガポール料理の調査、研究を手がける。