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2018.01.03

全盲の娘を持つ女性・YUKOさんが自身の経験を交えながら、 視覚障害に関する様々な情報を届けるエッセイ


我が子が早期療育プログラムに通うまでの流れや実際の取り組み

今回は、我が家の経験をもとに、シンガポールの療育・特別支援教育について書いていこうと思います。日本の療育にあたるものが、シンガポールではEarly Intervention Program for Infant & Child (以下:EIPIC。早期療育)と呼ばれるものが該当します。娘は2歳までは病院のリハビリに通っていましたが、2歳になってすぐEIPICに入学できたため、現在はほぼ毎日2時間通っています。多数あるEIPICへの入学までの流れは通常下記のような順番になります。

1  主治医からの紹介状
2  病院のソーシャルワーカーとの面談
3  ソーシャルワーカーが学校斡旋機関へ依頼
4  斡旋機関による学校の提案
5 学校の説明会
6 学校と面接
7 入学 という流れになります。

療育は公立と私立があります。政府のサポートのある公立は、原則6歳以下のシンガポール国民またはPR保持者のお子さんが通うことができますが、私立は特に条件はないようです。もちろん金額も異なります。通常EIPICでは、様々な発達の遅れや特別なサポートが必要なお子さんに対して、教育機関と専門的なスキルをもったセラピストなどが連携、必要な教育やトレーニングを施しています。OT(作業療法士)、PT(理学療法士)、ST(言語聴覚士)などのサービスは学校により異なります。また、親やメイドさんが教室に同伴必須かどうかも学校によります。

娘の学校では、セラピストも常駐し、日本のようにきめ細やかな対応をしてくれるので、今は安心して通っています。そして、ソーシャルワーカーも常駐しているため、1か月間の親自身をサポートする研修会があったり、今後の進路相談や家族・きょうだい児(障がいのあるお子さんの兄弟姉妹)の相談、ファイナンシャル相談などの時間も取ってくれたりします。今後は、娘の成長に合わせて、インクルーシブ教育の学校も視野にいれていきたいと思います。


YUKO
日本で生保営業職を約10 年経験。名誉あるグローバル生保営業組織のMDRT 会員に選ばれた後来星。ライター、医療や金融アシスタントを経て、現在はセラピストとして活動中。また全盲の2 歳の娘がきっかけで、世界中の視覚障がい者の関連情報を発信するプロジェクト「∞ Infinity ∞ 視覚を使わない人たちの世界へ」(http://8infinity8.info/)を立ち上げ、イベントも企画。
Facebook: ∞ Infinity ∞ 視覚を使わない人たちの世界へ-Global Project for visually impaired-