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2016.11.08

あの人気コーナーがより知的により多彩になってかえってきた!在留邦人を代表する多読家・安藤浩久が、話題のあの本に快刀乱麻を断ちまくる!あなたの『次の一冊』は、ここにある。


『危険なビーナス』

東野圭吾[講談社]

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緻密な展開や謎解きを期待すると裏切られるかもしれませんが、わかりやすいキャラクター設定やちゃぶ台をひっくり返すようラストの大オチは、映画やドラマ向きではないかと感じました。それにしても80年代アイドルの楽曲のようなタイトルは、どうにかならなかったのでしょうか(苦笑)。


『シンガポールを知るための65 章第4 版』 

田村慶子 編著[明石書店]

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シンガポール解説本の定番が3年ぶりに改訂。この国の歴史や文化、社会、経済、外交、政治などについてトピック別に述べられており、興味のある所から読むことができます。改訂版が出る間隔が段々短くなっているところに日本におけるシンガポールへの関心の高まりを感じることができます。


『ティターンズの旗のもとに 上下巻』

今野敏[角川文庫]

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『隠蔽捜査』などの警察小説で高い評価を受けている今野敏によるガンダムサーガ。本編では敵役だったティターンズの若き将校たちの正義感や誇りを、軍法会議を主舞台にして描いています。先行作品の設定がふんだんに盛り込まれており、著者の並々ならぬ「ガンダム愛」が感じられます。


『村上春樹はノーベル賞をとれるのか?』 

川村湊[光文社新書]

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タイトルにもなっている本題は3分の1ほどで、残りはノーベル文学賞の歴史や日本人作家との関わりに費やされています。過去の受賞者は作品そのものの評価よりも地域バランスや政治性などに重きを置いて選ばれているため、村上氏の受賞は少なくともしばらくは無理そうな気がしました。


『新編 日本の面影』

ラフカディオ・ハーン[角川ソフィア文庫]

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明治日本の風物を美しい筆致で描いた「元祖クールジャパン」ともいうべき名作。ハーンが愛した詩情豊かで幻想的な「日本」は、もうほとんど残されていないのだろうと思うと悲しくなりました。海外生活が長くなると、やはりこういった作品に触れたくなるときが増えます(笑)。


『神社と政治』

小林正弥[角川新書]

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改憲問題との絡みで注目される神道と政治の関係を、歴史的背景や神道の宗教性の分析も踏まえながら解説しています。神道を再生させるためには、かつての国家神道のような公的な存在ではなく、地域コミュニティの核となる「公共神道」を目指すべきという指摘はとても興味深く読みました。


KINOKUNIYA リャンコート店ユキの週末読書この1冊 !

映画も小説も、CD アルバムまで大ヒット!今年イチの話題作!

小説 君の名は。新海 誠 [KADOKAWA]

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日本で話題沸騰のタイトル、シンガポールでも飛ぶように売れています!一言でまとめちゃうと、男女がある日突然入れ替わって恋におちる、というお話です。ヒットの理由はいろいろあると思うのですが、読み終えて私が感じたのが、映像美です。田舎の自然の美しさや都会の煌き、きれいなところなんだろうな、と思わせる文章。特に主人公・三葉がもうひとりの主人公・瀧と入れ替わって、新宿の街角で感動しているシーンが印象的でした。それから現代社会の必須アイテム・スマホは登場するけど、お互いに直接連絡をとることができない、という仕掛けも面白かったです。今どき、スマホで検索してしまえば何でも解決しますもんね。小説は軽くて読みやすく、いま高校生の方には共感してもらえて、いつか高校生だった方には昔の気持ちが蘇る、かもしれない、話題づくりにもおすすめの1冊です。

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