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2021.05.28

はじめての監査:監査人に決算書の作り方を教えてもらおうとしたら、、、の巻


私は日本から派遣されてシンガポール子会社の責任者を (一般人の私には、一般的ではないんだけど・・・) 任された駐在員。会社経営などしたことないのに人事・経理・総務とフル回転。特に決算時には監査法人の対応で業務が手につきません。先日監査法人とこんなやりとりがありました。もうどうすればいいか教えて!

<その1>
監査法人:シンガポールでは殆どの会社が監査を受けなくてはいけません。
駐在員:監査って確か、会計士が決算書のチェックをしてくれるんですよね?
    決算書を作るのを手伝って欲しいです。
監査法人:いえいえ!決算書は会社で作って頂くものなんですよ。見本をお渡ししますので。(経理畑の私では見たことのない全て英語の決算書の見本を渡される。)
 
<その2>
監査法人:今年からリース会計が適用になるので、オフィスの賃貸借契約なども資産・負債への計上をしてください。リース債務の計算にあたっては割引率を使いますが、それは会社の追加利子率で、信用力、借入期間、担保の状況に加えて国や地域、通貨などを勘案したものでなくてはなりません。
駐在員:それってどういうことですか?どうやって出すんですか?
監査法人:それは御社の信用力や、借入期間、担保の状況に加えて国や地域、通貨などを勘案した追加利子率を自社でご判断してください。
駐在員:(やばい。全くわからない・・・)
 
<その3>
監査法人:この資本提携先への株式投資は決算日に時価評価しなくてはいけないので、時価を出してください。
駐在員:でもこの会社は上場していないので時価がないんです。買った金額のままでいいですか?
監査法人:いえ。買ったままの金額で計上しておくのは認められていません。
駐在員:でも、時価なんかないのに、どうすればいいんですか?
監査法人:会社で計算してください。計算方法はDCF法とか広く一般的なやり方で計算できるはずですよ。
駐在員:私は日本から派遣されてシンガポール子会社の責任者を (一般人の私には、一般的ではないんだけど・・・)
 

教訓! 監査法人は決算書作成の手伝いを禁止されている!
⭐監査には二重責任の原則というものがあるのをご存じですか?⭐
経営者(会社)が決算書を作成する責任を負い、監査法人がその適正性について保証する責任を負うのです。そのため、監査法人は決算書の作成や、そのための会計処理について手取り足取り教えてくれません。

この二重責任の原則は年々厳しくなっています。またシンガポールはより欧米の文化に近いため、責任の所在にはより厳しい線引きがされています。
シンガポールの駐在員に経理および国際会計基準の知識が乏しい場合は、監査法人の対応はかなり厳しいものになる可能性があります。経理のプロを駐在として派遣するか、監査対応を外注することも検討する必要があります。

 

監査法人対応を含め、お気軽にお問い合わせください!


グループ代表/公認会計士
伊藤哲男
Phoenix Accounting Singapore Pte Ltd
フェニックス・アカウンティング・シンガポール
住所:50 Raffles Place #25-03 Singapore Land Tower,(S) 048623
※Raffles Place駅からスグ!
E-mail : Info.sg@px-acc.com