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2021.04.30

シンガポールで「食べる・料理」時間を更に楽しく大切に~
ホームクッキングビジネスが加速

 シンガポールでは飲食店の開店には多額の投資と公式の手続きやライセンスが必要ですが、家庭で調理したものを販売する、Home Cooking Businessはライセンスも必要ない* 気軽さから、様々なプレイヤーが出現しています。

 後押ししたのは、コロナ禍のサーキットブレーカーです。この間にデリバリー需要が増え、また失職や仕事が減少した層で、料理の腕に自信がある方たちが新しいビジネス展開を目指したことが、ブームを巻き起こすことになりました。各メディアでもこのHome Cooking Businessの人気ランキングなどが特集され、認知度をより高めることになりました。

 
Home Baking ビジネス例
「OneStopCookieByTardelicious」はホームベーキングのクッキーが人気。家庭での生産なので数は限られるが、注文が絶えず、家のオーブンはフル回転。人気のOndeh Tart(緑)

 芸能人の例で有名なのは俳優のJeanette Aw氏。自宅で焼いたブラウニーの販売が大好評でウェイティングリストは1000名が名を連ねたほどです。こちらはHome Cooking Businessの枠を超え、現在自身のパティスリーショップを開店に向けて準備しています。ただ、この例は例外で、多くの作り手はコストの掛からない自宅からの調理・販売で、副業的にビジネスを続ける例が多いようです。人気が出ている作り手はSNSを駆使し、限定数の予約を事前に取り、決まった曜日のみに販売という形が主流です。「個数限定」「先着」「販売日限定」というこの3要素が、シンガポール人の消費者心理により効いているようです。作り手たちは広告費は0(有料広告自体がHome Cooking Businessは不可)、注文は事前に取るため食材のロス無し、決まった曜日に販売で時間をコントロールできるというアドバンテージをもてるため、副業としては理想の形になるのではないでしょうか。


Home Baking ビジネス例
「Aloy’s Cuts」のホームメードバター。元シェフが作るバターなので品質が高い。一番人気はトリュフ!

 《A氏の例》 普段は企業勤め。毎週の販売日までにSNSやWhatsAppで料理の注文を受け、仕込み日はお休みの日前日。休みの日に配送。マーケティングは婚約者が手伝ってくれているとのこと。現在はこのため、プライベートのお休みが持てないそうですが、わずか数カ月でも数千ドルの販売にも繋がり、このビジネスに手ごたえを感じているとのことです。またプライベートでは、この副業の仕事が、婚約者との絆を高めることにもなるという、おまけまでついてきたそうです。 「元々料理の腕に自信がある」、「料理が好きだけれど店舗を持つほどではない」という料理に自信がある層、シェフの副業にとっては、魅力的なビジネスであるようです。

*)別途確認事項、必要手続きはあります

OneStopCookieByTardelicious
WhatApp:8100-3177
Instagram:tardelicious
各種詰め合わせのS$35が人気。S$25/50個入

Aloy’s Cuts
E-mail:aloyscuts@gmail.com
Instagram:aloyscuts
3個でS$60のセットが人気。S$21/1瓶130g~

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ケルニン青木康子 さん

食のイベント会社Spoonful代表。シンガポールでメディア会社に7年勤務後、「食」を通して人と人、社会と社会をつなぐ食のイベントブランドSpoonfulを2014年に起業。ライフワークとして、シンガポール料理の調査、研究を手がける。

Facebook: @Spoonful.sg
Instagram: @Spoonful.sg
Blog: @little_kosaji