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2021.02.02

2021年1月11日に開店した「ADDA」は、東南アジアで唯一のミシュラン・インド 料理シェフ、ムラル氏が、様々な想いをもって開店させたレストランです。ヘッドシェフのムラル氏にインド料理店「ADDA」の開店について話を伺うことができました。


開店を翌日に控えたレストランには、新しいことに挑戦する意欲をもったスタッフ達が、目を輝かせながら仕事をしていました。ADDAの開店背景にはコロナ禍が大きく影響しています。2016年にミシュランシェフとなってからのシェフ・ムラル氏の キャリアは輝かしいものでした。しかし、2020年コロナ禍の影響で勤め先のファインダイニングは惜しまれつつも閉店となり、自身のレストランを開店させる運びとなったのです。
「私の予測ではコロナ禍の後、ダイニングシーンでは、カジュアルでコンフォート フードを提供するレストランの需要が高まってくると思います。手掛けたいのはゲスト達が和気あいあいと語り合い、皆で料理をシェアできるようなコミュニカルダイニングです。また、私もレストランという場を通して、多くのゲストと交流していきたいと思っていますし、それが重要だと感じています」

タンドールで焼くケバブをつまみながら、会話が弾みます


周りからのファインダイニング開店への期待をよそに、カジュアルレストランを開けたことの意味はここにあり、更に他の強い想いがあります。
「インド料理は、まだまだ知られていないことが多いです。油が多用され、辛いだけの料理という典型的なイメージを払拭したいです。インド料理は味も色彩も豊かなものなので、多様性があり、いろんな料理と掛け合わせて新たな美味しさを生み出すことができる点も紹介していきたです。それがミシュランシェフとしての私の使命だと思っています」

シェフ・ムラル氏(左)は東南アジアで唯一のインド料理・ミシュランスターシェフ


実際に「ADDA」では広大なインドの東西南北各 地からの伝統的な料理を提供しつつ、モダンインド料理も数多くメニューに組み込まれています。また、インド料理を、地元の人に知ってもらいたいという気持ちから、シンガポールのコミュ ニティセンターでも料理講師の活動も長年続けているそうです。カリスマ的なシェフ、その人柄や食に惹かれる人々が集い、学び、コミュニケーションが活発化する場所はまるでオンラインサロンのようです。サロン要素が詰まったレストランこそ人々がコロナ禍後、求める場なのかもしれません。

ADDA
7500E Beach Road, #01-201 Diners Building, (S)199595
営業時間:火~日 18:00~22:30
定休日:月
TEL:8262-8045
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ケルニン青木康子 さん

食のイベント会社Spoonful代表。シンガポールでメディアに7年勤務後、「食」を通して人と人、社会と社会をつなぐ食イベントブランドSpoonfulを2014年に企業。ライフワークとして、シンガポール料理の調査、研究を手がける。