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2019.09.03

写真提供:City Nomads


おいしいだけではなく環境によい食事を好む人が増えた。それはオーガニックやサスティナビリティ(持続可能性)を重視し、地元で調達され、請け合って漁獲された食材を使うSummerhouseやシティホールにあるSalted & Hungなどのレストランが増えていることからも分かるだろう。しかし、食品産業がいかに食用可能な農産物を無駄にしてきたか、国民が意識しはじめたばかりだ。

特に、果物と野菜はスーパーに並ぶ前に通過しなくてはならない、厳格な「形状選別」のせいで、その鮮度を保つのが難しい食材だ。幸いにも小さなベンチャー企業などがこの問題に取り組むために動きだした。UglyFood のうちの1人、ペイシャン氏は価値がないと誤解された農産物に価値を見いだした。

一般的に思われていることとは違い、廃棄される農産物のほとんどは腐っているわけではない。多くの消費者向けビジネスでは在庫過剰、または形状が醜いという理由で農産物を廃棄する傾向にある。その結果多くの農産物がゴミとなり、シンガポール国家環境庁(NEA)によると2017年には80万トンもの食品が捨てられた。例を上げると、芽キャベツは小さくて十分に丸くない限り市場には並ばず、バナナは曲がっていないだけで規格外となっている。

会社名が示すように、ペイシャン氏とパートナーのアウグスティン氏は醜い農産品を最大限に活用し、iJooz(オレンジジュース自販機)やウェットマーケットの関係者などと協力し、新鮮な野菜や果物を再販・再利用の目的のため収集する。「RedMartと連携し、表面に傷がある見た目の悪い農産物を仕入れています。」とペイシャン氏は語る。

今までに約9万もの廃棄食品を、お茶、ジュース、アイスクリームなどに 加工し、近い将来飲食店ともコラボレーションしていく予定だ。起業して以来、多くの食品業界と繋がることができ、野菜や果物に限らずキノコや余剰品などの幅広い食材を使うようになった。

無駄を生み出してしまう習慣を変えるのは容易ではない。「習慣を改善するのには時間がかかります。UglyFoodを始める前は、私も果物を見た目で選んでいました。しかし、それは少しの努力で変えられるのです 。環境に配慮しようとするならば、生鮮食品を選ぶ際にもその心がけをもつことです。」とペイシャン氏は言う。

食料品店からレストランまで、TreatsureやShaw Centre内のKausmo、UglyFoodなどの企業は、醜い食品の市場に参入することを使命としている。時折開かれるポップアップストアの他に、オンラインストアで彼らの商品を購入することができ、ワークショップや店舗とのコラボなどのイベントに参加することもできる。

出典:https://www.citynomads.com/