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2017.12.22

全盲の娘を持つ女性・YUKOさんが自身の経験を交えながら、 視覚障害に関する様々な情報を届けるエッセイ


ドイツ発祥で世界41か国開催の暗闇エンターテインメント、ダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下、DID)。視覚障がい者の案内の元、暗闇をグループで1時間体験します。私はシンガポールでのDID体験後、日本でも体験。今回は日本のDIDをご紹介をします。

体験、対話することで広がっていく新たな世界の発見へ

1999年にドイツから日本にDIDを取り入れたのは現代表の志村真介さん。自身の著書(『暗闇から世界が変わる』講談社現代新書)に記述もありますが、偶然にもDIDの記事を読み衝撃を受け、すぐに創始者ハイネッケ氏に手紙を書いたそうです。そしてドイツに行き、結果的に日本へ導入することに。

世界中のDIDのうち、日本以外の国は政府や企業がDIDをサポートしています。日本は一切そのサポートがない中、多くの共感を得て、東京・外苑前(2009年〜2017年8月)、大阪(2014年〜現在)を中心に開催、20万人以上が体験。9月から東京・日本橋馬喰町に移り、Tokyo Diversity Lab.を開設。現在は一般向けの暗闇体験はなく、ビジネス向け研修や、アテンドの感性を生かし商品を開発。
また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、多様な対話を体験するMuseum of Diversity and Inclusionを準備中。

その前段階として、今年3月に日本初のダイアログ・ウィズ・タイム(知恵ある人々との対話)を開催。70歳以上のアテンドとの世代を超えた対話を通し、年齢を重ねる事へのネガティブなイメージから新たな可能性の気づきへ。また、8月にも日本初のダイアログ・イン・サイレンス(静けさの中の対話)を開催。聴覚障がい者のアテンドと共に音声に頼らない言語を超えたコミュニケーションの発見へ。今後、多くの人が体験する日が待ち遠しいです。

詳細はhttp://www.dialoginthedark.com/まで。
※本記事執筆にあたり、日本DIDへ直接問合わせ済

YUKO
日本で生保営業職を約10 年経験。名誉あるグローバル生保営業組織のMDRT 会員に選ばれた後来星。ライター、医療や金融アシスタントを経て、現在はセラピストとして活動中。また全盲の2 歳の娘がきっかけで、世界中の視覚障がい者の関連情報を発信するプロジェクト「∞ Infinity ∞ 視覚を使わない人たちの世界へ」(http://8infinity8.info/)を立ち上げ、イベントも企画。
Facebook: ∞ Infinity ∞ 視覚を使わない人たちの世界へ-Global Project for visually impaired-