昨年、独立50 周年を迎え国中がSG50 ムード一色になったシンガポール。そんなシンガポールで、独立数十年前にすでに存在していた日本人コミュニティがあった。現在、在星日本人のメインコミュニティとなっている日本人会は、なんと発足101 周年！　ここでは、日本人コミュニティの歴史や地元とのつながりや主催するイベントについて紹介する。

• 1915年（大正4年）シンガポール日本人会発足
  1912年に開校した日本人のための学校（現：日本人学校）と、日本人墓地の運営管理を目的に発足。運動会や敷地内の土俵を使った相撲大会など年間行事も行われていた。当時の在留邦人数は約1500人だった。

• 1941年戦争により日本人会も一時消滅
  さまざまな文化活動などを通して日本人コミュニティが広がりを見せたものの、太平洋戦争勃発により日本領事館が閉鎖となり、日本人会も消滅を余儀なくされた。

• 1957年に再発足、日本人コミュニティを支える存在へ
  1945年に太平洋戦争が終結。その12年後、植民地政府より日本人墓地の管理をする要請が総領事館に伝えられ、当時シンガポールにいた日本人たちが呼びかけで集まり管理を始めた。これがきっかけで、1957年日本人会再発足となった。

• 拡大する日本人コミュニティ
  日本人会が再発足した頃から大規模な日系企業の進出も多くなり、在星日本人数も増加していく。1996年には日本人法人会員数1103社、個人会員数4356世帯と最多会員数を記録。バブル崩壊後は一時減少するが、日本経済が落ち着きを取り戻すとともに会員数も徐々に増え、2016年6月の時点で正会員5349世帯、会友396世帯、法人会員764社の大型コミュニティとなっている。

豊富なイベントで文化交流も活発に

日本人会では、チンゲイパレードの参加や夏祭りなど毎年多くの定例イベントや文化交流が行われている。今年はSJ50 認定イベントとして行われるものもあり、両国の文化交流にますます注目が集まりそう。

• 日本語スピーチコンテスト
  7 月10 日（日）場所：日本人会オーディトリアム
  日本語を学習するローカルを対象に、中学の部、高校の部、高等学府の部、一般の部の4 カテゴリーでそれぞれ予選を行い、決勝進出を決めた各6 名が自由なテーマでスピーチを披露する。規模的もトップクラスの日本語スピーチコンテストと言われるほどレベルの高さを誇る。日本大使館を含む日本関係5 団体共催。
  URL: www.jas.org.sg/event/speechcontest/jsc.html

• 日本人会大運動会
  7 月24 日（日）場所：Bukit Gombak Stadium
  日本人会運動部の最大行事。昨年は日本人会創立100 周年・シンガポール建国50 年をテーマにした競技なども行い、2000 人以上の参加者が競技を楽しんだ。

• 日本人会夏まつり
  8月20日（土）場所：シンガポール日本人学校チャンギ校

今年で29 回目を迎える毎年恒例の夏まつりは、シンガポール人の日本語学習者を中心とした若者をはじめ多くのローカル参加者が年々増加し、現在では過半数をシンガポール人が占める。60 以上の出店と、運動部による名物「ゲームコーナー」、毎年数千人による盆踊りは圧巻！
URL: www.jas.org.sg/event/summerfes/2016/booth.html

• 第10 回タンピネスCC ＆ JAS　紅白カラオケ大会  
  6 月25 日（土）
  タンピネスイーストコミュニティークラブと日本人会とのカラオケ交流を目的に、1996 年に第1 回が開催され、今回で第10 回目を迎える。赤組がタンピネスチーム、白組が日本人会チームとして毎回趣向を凝らした対戦を繰り広げ、盛り上がりを見せる人気イベント。
  URL: www.jas.org.sg/event/karaokerw/redwhite1606.html

• オープンハウス
  11月26日（土）場所：日本人会（予定）

• 日本語を話す会
  日本人会に属する地域社会交流部の部会直属活動グループによる「日本語を話す会」。日本人ボランティア登録者約90名、ローカル参加者登録者約200名（ともに昨年の人数）。日本人とローカルが日本語を使って交流しており、夏まつりにも毎年ボランティアとして参加している。
  URL: www.jas.org.sg/aboutus/japanese/japanese_ja.html

取材協力、写真提供：シンガポール日本人会　www.jas.org.sg