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2016.11.28

“これまで誰も聴いた事がないような新しい音を創造したい”

シンガポールと日本のアーティストコラボレーションコンサート『SG-JP Music Mix 2016』が、11 月30 日(水)に開かれる。日本から雅楽師の東儀秀樹氏が、そしてシンガポールを代表する歌手のディック・リーらそうそうたる顔ぶれの出演が決定している。今回企画立案から運営、音楽監督、すべてのパフォーマンスのディレクションを 手がけるプロデューサーであるSachiyoさんに、本公演への思いを聞いた。


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「SG –JP Music Mix 2016」 を行うに至った動機をお聞かせください

私は1972年に初来星し、シンガポールとは 44 年のお付き合いになります。まだ反日感情が色 濃く残る時代にシンガポールに来て色々な体験をしたので、幼少の頃から日本とシンガポールの友好関係を強く願う意識を持っていました。4才の 頃よりモデルとして活動し、シンガポール航空の キャンペーンモデル(日本〜シンガポール間。同 社史上唯一の日本人モデル)等も務めさせて頂き、 長年二国間の架け橋として活動しています。
音楽家としては1997年にプロデビューし、 以来日星両国での活動を続けながら、音楽親善大使としての役割も担ってきました。国交樹立 50 周年という記念すべき年に私独自の企画でイベントを行いたいという強い気持ちがあり、今回の実施に至りました。

特に強く抱いている思いは何ですか?

これまでシンガポールでは、日本のアーティストによるコ ンサートは多く実施されて来 ましたが、その多くがアーティ スト自身の音楽を演奏、紹介するもの。現地アーティスト とのコラボレーションは行われていません。多民族国家シンガポールの多種多様な音楽と、長い歴史と豊かな文化的土壌の中で育まれた日本の音楽が組み合わされば、素晴らしい音楽を作る事が出来ると経 験を通じてずっと感じていました。双方のアーティ ストの共演を実現させ、これまで誰も聴いた事が ないような新しい音を創造したいと思っています。

東儀秀樹さんやディック・リーさんなど、すごい顔ぶれが集まりました

大変光栄です。まず、日星のどんな「音楽」を 融合させたいかという事を大切に心において、名実共に両国を代表するアーティストに出演を依頼 しました。異文化への柔軟性、コラボレーション が可能な技術をお持ちの方にお声がけさせて頂いています。

ディック・リーさんは日本人にもよく知られている、シンガポールを代表する唯一無二の音楽家です。オリビア・オンさんは日本で暮ら した経験もお持ちで、日本語曲をカバーしていた りもします。シャビルさんはシンガポールのインド・タミル文化を代表するアーティスト。

東儀秀樹さんは伝統文化を代表する雅楽師として認知されていますが、今回私が着目したのは、タイとメ キシコで育った帰国子女であるというバックグラ ウンドでした。元々はロックミュージシャンになりたかったそうで、雅楽以外の音楽を知っている、 現代音楽と伝統音楽を融合する技術を持っておられる方です。まさ に異文化間のコラボレーションを可能にする人だと思いました。

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そんな皆様で奏でる音楽は、一体どのようなものになるので しょうか?

それぞれの代表曲を演奏すると共に、日本とシンガポールの曲を 5人のコラボレーションによるアレンジで披露します。楽曲を演奏するミュージシャン達は西洋楽器、民族楽器の混合バンドで形成しているので、シンガポールならではの多様な音楽も楽しめます。両国の「音」が見えているのは私だけなので、選曲やベースアレンジは私主導ですが、制作過程で個々の意見を取 り入れながら進めています。皆さんとても柔軟で、何より相手を尊重している姿勢には感動すら覚えます。

今回、東儀さんは単独でいらっしゃるのですが、これは非常に珍しいこと。現地のアーティスト、ミュージシャンとの共演を心待ちにして下さっていて、懐の深い方だと実感しています。

最後に、J+PLUS読者の方々へ向けて メッセージをお願いします。

私はシンガポールの人々と心を尽くして交流し、文化や価値観を尊重しながら全力で物事に取り組み、前例のないものを創り上げたいと常に思っています。私達の音楽が皆さんの心に響き、新しい挑戦に繋がる事を願っています。皆様のコンサートへのお越しを、出演者一同心よりお待ちしております!

初来星となる 雅楽師・東儀秀樹さんから J+PLUS 読者へメッセージ

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国同士の節目の大切なイベ ントで、日本の音楽家代表として参加できることは大変名誉でやりがいを感じています。コラボレーションもあり、特にシンガポールのミュージシャンとス テージを共にするのは初なので、国を超えた新しい友人ができることにワクワクしていま す。

世界には色々な音楽があり、 雅楽もその1 つ。儀式に使われる音楽だからと肩肘を張ることなく、 皆さんそれぞれが好きなように楽しんで頂ければと思います。

 

『SG-JP Music Mix 2016』-SJ50 Special Edition- 日時:11 月30 日( 水)19:30
場所: Victoria Concert Hall ☎ 6908-8810
Web:sgjpmusicmix.com   チケット:S$78、S$58、S$38 ※SISTIC で発売中


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Sachiyo /東京生まれ。父の転勤を機に4 歳で渡星。シンガポールで中学まで過ごした後、日本の高校と大学へ進学。 幼い頃よりピアノや声楽を学び、芸能活動も数多く経験。 1997 年にプロデビュー、現在はシンガーソングライター、 プロデューサーとしてシンガポールを拠点に活動している。