• 大塚隆司 やる気スイッチ
  • ライフ

2016.11.01

目標があったほうがやる気が出る?

Child who dreams of being in space with open eyes

「うちの子も目標があれば勉強するようになると思うんですけど」そんな言葉をよく聞きます。確かに目標を持つことでやる気が出て、 自分から勉強しはじめることはよくあります。ただ、そういった子ばかりではなく、なかには目標があるとやる気をなくしてしまう子もいるのです。 目標があるおかげで「失敗したらどうしよう」と不安になる子がいます。「やんなきゃいけないのかな~」と義務感を感じる子。さらに「もっと自由にやりたいのに」と窮屈に感じる子。こうした子には、目標がないほうがかえっていいいかもしれません。もしくは、その子に適した目標を設定する必要があります。

小さな目標を立ててあげるのもよし!

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目標があると不安になる子には、絶対に達成できるような小さな目標のほうが安心できるでしょう。前回のテストが80 点だったとしたら「次のテストも80 点を目指してみようか」そんな目標にしてあげると、のびのびと取り組めるでしょう。 それでもプレッシャーを感じてきたら、「2 回も続けていい点取るなんて、なかなかできないことだから。取れなくても大丈夫」と、 できなくて当たり前、という感じで声かけをすると気持ちが楽になります。こうした子は目標を追いかけている途中にも「私すぐに忘れちゃうからなぁ~」というような不安や心配を口にすることがあります。こういうときは無理に励ますよりも「お母さんも忘れっぽいから、その気持ちよくわかるわ」と気持ちを受け止めてあげたほうが子供は安心します。さらにこうした子は周りが思っている以上に「ちゃんとやらなきゃ」と努力していることも多いので、「いつもよくがんばっているよね」と努力を認める声かけをまめにすると、モチベーションが維持できます。

自由にできる余裕も作ってあげよう。
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目標を窮屈に感じる子には、すべてを決めてしまうのではなくて、 自由にできる余裕を作ったほうがのびのびできます。「次のテストは 70 点を目標にしようか。でも他にやりたいことがあるだろうから、 そっちがやりたくなったらそれを優先していいよ」私はこのようなことをよく言うようにしています。こうした子は飽きっぽく、移り気なところがあるので、長い間同じ目標を持ち続けると目標自体に飽きてしまうことも。だから目標を持つなら短期的な目標を。もし長期的な目標を追わなければいけないときは、細かく中間目標を作るようにします。それでも飽きてしまったらさっさと新しい目標に切り替えるのです。このように一律に「目標があったほうがやる気は上がる」とは言い切れません。子供に合った大きさ、子供に合った長さ、子供に合ったスタンスの目標を見つけてあげることが、子どもを勉強好きにするひとつのポイントです。


〜パパの育児相談コーナーの質問〜 

Question

5 歳の男の子の父親です。息子がよくうそをつきます。怒られたくない気持ちでついうそをつくようですが、この癖を直したいのです。うそをつくことはいけないと何度も教えていますが、なかなか直りません。何かよい方法がありますでしょうか?

Answer

子どもが親に怒られたくないためにうそをつくというのはよくあることで、うそをつく、しらを切る、とぼける、ごまかすというのは、あまり歓迎されるものではないかも知れませんが、どれも成長の過程で出てくる社会性の表れです。こうしたことは親がつつけばつつくほど増えていきます。元々、怒られたくないからうそをついているわけですから、怒れば怒るほどうそをついて逃れようとするのは当然といえます。ですから、怒られやすい子ほどうそや言い訳が多い傾向にあります。もしかして、息子さんの周りにいる大人がちょっとしたことで怒ったり怒鳴ったり脅したりしていないでしょうか。それをやめるだけで、そうしたうそは確実に減らせますよ。


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大塚隆司
名古屋市出身。大阪教育大学教育学部卒。学習塾就職をきっかけに、アメリカ発の心理学的アプローチ「コーチング」「ブリーフセラピー」などを学ぶ。現在は塾講師時代の経験をいかし、思春期の子を持つ父親と母親をサポートをする講演会やワークショップを行う。マスコミ出演多数。